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- データをフル活用したコンタクトセンターにより「スーパーエージェント」を生み出す
Tags: サービスとしてのコールセンター, カスタマー ジャーニー, データセンター
顧客の矢面に立つエージェントは、データを活用したカスタマーエクスペリエンスという点で今や中心的な存在です。 顧客に関する背景情報を収集し、驚異的なスピードで顧客の課題を解決するなど、顧客の声(VoC)プログラムの立役者となっているからです。 こうしたコンタクトセンター改革における台風の目は技術革新です。 その変動パワーは強く、コンタクトセンターとテクノロジー業界での 20 年以上のキャリアがある私にとっても驚くべきものです。 しかも変化の勢いが増しています。 最近、複数のお客様と話す機会がありましたが、そこから浮かび上がってきたのは、カスタマーエクスペリエンス(CX)のパーソナライズ強化が各社に共通の課題だという点です。 では、理想の姿とはどのようなものでしょうか?それは、コンタクトセンターのエージェントがマーケティング部門の同僚と連携し、専用に整理されたデータ重視の顧客インサイトにアクセスできることです。これにより、かつてなくパーソナライズされた顧客体験を実現できるからです。
上の理想的なシナリオでは、エージェントが脚光を浴びて「スーパーエージェント」へと生まれ変わります。 スーパーエージェントはあらゆる状況で情報をフル活用できるため、顧客固有の課題を瞬時に解決するといった成果を一貫して達成可能です。同時に、VoC プログラムで重要な位置を占めるようになります。 つまり、コンタクトセンターのエージェントが豊富な顧客インサイトにアクセスして、パーソナライズされた CX を提供できるのです。これには、エージェントの意思決定をより柔軟にできるという側面も伴います。 しかし、こうした理想的なストーリーは現実には少数です。 逆に、大半のコンタクトセンターが他の部門と切り離されてサイロ化しているとの指摘もあります。 このため、カスタマージャーニーの上流での出来事についてエージェントが顧客に尋ねるという事態が頻発しているのです。 インフラに柔軟性がなく、変化する顧客の期待に対応できない場合は、この問題がますます悪化します。 これらの課題があるため、顧客がチャンネル間を移動している間に CX の期待にシームレスに応えることはほぼ不可能です。
Cisco Contact Center Global Survey 2020 によると、CX が断片化して解約率を高める理由には、設計が不十分なオムニチャネル エクスペリエンスや、スマートさに欠けたルーティングなどがあります。さらに、コンタクトセンターのスタッフが組織内の専門スタッフに簡単に質問できない、といった要素もあります。 CX は組織全体の責任であり、コンタクトセンターはブランドと顧客のジャーニーで中心的な役割を果たしています。しかしこれまでコンタクトセンターは単なるコストセンターと見なされていました。優れたカスタマーサービスに不可欠なビジネスドライバーである、という見方が欠けていたのです。これは断片化の問題と相まって事態を悪化させてきました。 さらに、データ分析を活用してビジネスに貴重な顧客の声を反映させるという「追加作業」を実践できるのがマーケティング部門だけに限られている場合も多くあります。 しかしコンタクトセンターが注目されるようになり、こうした事態が変化の節目を迎えています。VoC プログラムにおける顧客フィードバックの重要な情報源として、データ分析の利用が必要な部門であると認識され始めているのです。 そして今こそ、顧客インサイトを共有すべきです。ハイブリッド勤務やエージェントの地理的な分散化が進むなか、各チームがよりスマートに働ける環境の整備が急務となっているからです。ビジネスニーズや顧客の期待に応え、技術の進歩と歩調を合わせ、カスタマーエクスペリエンスを強化するには、従来とは異なるアプローチが必要なのです。
こうした変化の原動力となっているのは何でしょうか? それは人工知能(AI)を中心とする、強力な新技術です。コンタクトセンターを様変わりさせ、顧客との接触をよりパーソナライズされた価値のあるものにし、VoC ツールの有用性を大幅に高めているのです。 コンタクトセンターにおける AI は地殻変動を起こしているとも言えます。タスクの自動化により業務効率の概念を一変させ、豊富な顧客インサイトを収集するなどにより、エージェントのパフォーマンスが激変しているからです。 特に Webex Contact Center のような最新技術は、コンタクトセンターと顧客との接触を全面的に可視化することにより、顧客体験の大幅な向上につなげます。 同時に、次世代のパーソナライゼーションを含む多くのチャンスを提供します。たとえば価値の高いプロモーター(満足している顧客)を十分にケアできるだけでなく、顧客の満足度やニーズに応じたインテリジェントなルーティングも可能になります。 満足度スコアが低い顧客を最もスキルの高いエージェントにルーティングする、といったことも実現します。 つまり、エージェントが電話に応答する前からカスタマーエクスペリエンスを顧客ごとに「保証」できる体制を整えられます。
コンタクトセンターでの CX の向上には、カスタマーサービス以外の要素も関わってきます。 その一つが、台本どおりの顧客対応を避けることです。 コンタクトセンター以外では機会が限られる人間味のある対応により、顧客との関係を深めてブランドロイヤルティを強化できるからです。 さらに平均処理時間(AHT)やファーストコール解決率(FCR)といった従来のコンタクトセンター指標に、ネットプロモータースコア(NPS)やカスタマーエフォートスコア(CES)などの VoC 指標を組み合わせた詳細分析を実施すれば、データの実用性と説得力を随所で高めることもできます。 先述した Cisco Contact Center Global Survey 2020 によれば、カスタマージャーニー全体の可視化を阻害し続ける要因が組織のデータサイロです。コンタクトセンターが顧客の体験を把握することを不可能にしているのです。 その解決策とは何でしょうか? それは、音声、電子メール、チャットの各対話チャンネルが集約された専用のオールインワンプラットフォームです。これによりデータサイロを排除し、対話履歴といったコンテキストを利用できるため、より良いカスタマーエクスペリエンスの提供を実現できます。 目標は、顧客に関する統一された情報を対顧客部門全体で共有することです。そして実際に顧客と接する担当者すべてが顧客のコンテキストを完全に把握し、一貫して優れたエクスペリエンスを提供できる体制を整えることです。
スピードが重視される今、消費者の要求や期待は高まる一方です。 そのため企業は迅速に行動し、より人間味のあるパーソナライズされた「真実の瞬間」を形成することにより、絶えず変化する顧客ニーズに適応することが求められています。 カスタマージャーニーをリアルタイムで把握するうえで鍵を握るのがコンタクトセンターです。 カスタマージャーニーの上流で起こったことをエージェントが把握していれば、顧客とのやり取りで理想的なパーソナライゼーションを提供することに一歩近づけます。 またコンタクトセンターの責任者は、カスタマーエクスペリエンスの分析情報をリアルタイムで確認できるため、問題が発生した場合でも速やかに是正できます。つまり、経営戦術で重要な顧客フィードバックのループを完成させられるのです。 ビジネス内の各利害関係者は、カスタマージャーニーに関する(自身の立場にとって重要な)ポイントを把握している必要があります。 しかしそのためにはまず各ジャーニーを細分化したうえで、重要な「真実の瞬間」を洗い出す必要があります。 そして次に、顧客ごとのペルソナとその最終目標を理解する必要もあります。 さらに利害関係者にとって、ジャーニー全体を左右する重要なタッチポイントと、それを的確に把握できる方法を把握しておくことも欠かせません。 これは同時に、ジャーニーの各ステージを必要に応じて細部まで分析できることも意味します。 顧客に関する背景情報を提供し、データを駆使した AI 機能を利用できるため、最新のコンタクトセンター ソリューションは非常に強力です。これによりエージェントに必要なツールを提供すれば、人間味のあるカスタマーエクスペリエンスを提供できる「スーパーエージェント」へと生まれ変わります。的確で、よりパーソナライズされた顧客ケアを迅速に提供するための情報と回答に、瞬時にアクセスできるからです。
コンタクトセンターで「スーパーエージェント」を生み出すのに Webex が活躍する理由について、こちらから詳細をご覧ください。
関連資料 Exceeding expectations with Webex customer experience solutions [英語のブログ記事] Cisco + IMImobile: Delivering the Future of Customer Experience, Together [英語のブログ記事] The Future of Customer Experience Begins Now [英語のブログ記事] Webex Contact Center [英語の Web サイト] Webex Contact Center [英語のウェビナー録画]