シスコは約 40 年前に、ある 1 つのパーパスを持って設立されました。それは、テクノロジーを使って人々をつなげるというものです。 シスコ コラボレーションにおいても、その目的は変わっていません。従業員同士、そして従業員と顧客の間で行われる最も重要なビジネスのやり取りで、卓越した体験を創り出すことを目指しています。
長年にわたり、数々の技術の進歩がテクノロジー業界の変革に貢献してきました。 技術の進歩というと、最終的には、以前よりも大幅に優れた体験を、多くの場合はよりコストを抑えて提供するということに行きつきます。 AI の台頭に伴い、テクノロジーは今や、私たちがやり取りする方法を完全に変える力を持つようになりました。
とはいえ、突き詰めていくと、最新テクノロジーそのものが重要なわけではありません。 むしろ、重要なのはテクノロジーが提供する体験のほうです。 従業員がハイブリッドワーク環境でコラボレーションする場合でも、エージェントが顧客に対応する場合でも、イノベーションと顧客ロイヤルティを促進するのは、やり取りの質の高さです。
AI は効率を最適化することはできますが、顧客体験の領域では、実際の人間同士のつながりから生まれる微妙なニュアンスを含んだ理解と共感が重視されます。 顧客満足については、人間とのやり取りと仮想でのやり取りの間に生じる体験のギャップを埋められるかどうかに、その未来がかかっています。 シスコが AI を活用した仮想エージェントツールを提供している理由はそこにあります。企業がさまざまなユースケースでより豊かな仮想エージェント体験を実現できるようにすることが目的です。
Futurum 社と Webex による最近の調査で、お客様の 9 割がセルフサービスの使用を望んでいるものの、現在のセルフサービスオプションが実際に役立つと感じているのは半数未満であることが分かりました。 AI を活用した新たな仮想エージェントツールであるネイティブ音声仮想エージェントと Bring Your Own 仮想エージェントは、セルフサービスを刷新し、企業独自のユースケースや業種ごとに最適な体験を創り出すための確実な選択肢となるものです。
新たにリリースされたネイティブ音声仮想エージェントを使用すると、音声チャネルとデジタルチャネルの両方に対応した自動セルフサービス体験を簡単に設計し、管理することができます。 すでに仮想エージェントに投資していて優先するものがある場合は、新しい Bring Your Own 仮想エージェントを使用して、自社のソリューションと既存の一連のネイティブオプションおよびサードパーティオプションを統合できます。
セルフサービスで顧客のニーズにより幅広く対応し、優れた体験を提供できるようになった今、エージェントは顧客が抱えているより複雑な問題に集中することができます。 そうした問題には人間が対応する必要があるからこそ、AI Assistant for Webex Contact Center の提供により、エージェントの力になりたいとシスコは考えています。 ベータ版で利用可能な新機能としては、ネイティブ文字起こしによる仮想エージェントの対応の要約や中断された通話の要約などがあり、人間のエージェントへの引き継ぎがスムーズになります。 また今年後半には、対応の提案機能と対応内容の自動取りまとめ機能がベータ版で利用できるようになります。これらの機能によってエージェントの効率が上がり、より的確に対応できるようになるので、顧客の保留時間の短縮と解決率の向上につながるはずです。
エージェントをさらにサポートするために、AI を活用したエージェント ウェルビーイング機能をリリースします。今年の夏後半には利用できるようになる予定です。 この新機能は、エージェントの疲弊を和らげるための自動アクションを、通話前、通話中、通話後に実行できるようにするためのものです。
ビジネス関係者も、AI Assistant の活用による効率性の向上を実感できるはずです。たとえばベータ版で利用できるトピック分析により、 通話のきっかけとなった上位の要因の特定や、最もリクエストの多いトピックに回答するための自動ワークフローの作成を簡単に行えます。プロアクティブなアウトバウンド コミュニケーションやセルフサービスオプションに最適な機能です。 AI を活用した自動 CSAT は、顧客アンケートの回答を分析して顧客満足度スコアを予測するものです。具体的には、感情や保留時間のようなやり取りの特徴を分析してスコアを付けます。 この自動 CSAT データは、エージェントのパフォーマンスに関する追加のインサイトを提供するために使用されます。
多くの企業はすでに Cisco AI Assistant for Webex のメリットを実感しています。 最近のアンケートでは、Webex Contact Center ユーザーの 93% が、要約機能により顧客履歴と背景情報をより早く把握できるようになったと回答しています。 また、エージェントが平均で 3 倍迅速に顧客に対応できるようになるとユーザーは予想しています。
AI Assistant for Webex Suite の一般提供が始まり、ミーティングとメッセージの要約機能、ハイライト機能、メッセージのカスタマイズ機能(トーンやスタイル、構成の変更が可能)、メッセージを簡単に翻訳する機能(100 以上の言語に対応)をすべての Webex のお客様にご利用いただけるようになりました。 時間の節約に役立つこうした機能により、価値の高いタスクにユーザーが集中できるようになるので、従業員体験が向上します。 実際、AI Assistant を活用している Webex アプリケーションユーザーを対象とした最近のアンケートによると、80% 以上が、メモ取り、アクションアイテムの確認、録音の聞き取り、メッセージの確認にかかる時間を節約できたことが分かりました。
今年の夏以降にベータ版が利用可能になる AI Assistant の新たな機能拡張をご紹介したいと思います。会議の録画中に AI Assistant に質問できる機能と、AI Assistant のカスタム辞書がリリースされる予定です。カスタム辞書を使って、企業でよく使用される用語や略語をトレーニングデータに組み込めるようになります。
ハイブリッドワーク体験を向上させるために、他の方法でも AI を活用しています。席を外していることを示す機能やキャッチアップ機能などのユースケースを実現しました。 進行中の会議から席を外すと、ビデオインテリジェンス機能がユーザーの不在を検知し、自動的にマイクをミュートし、カメラを無効にします。 ユーザーが会議に戻ってくると、不在中に聞き逃した重要なハイライトの要約を AI Assistant が提供します。
生成 AI は開発者にとってもメリットがあるので、開発者向けの新しい AI Assistant をリリースします。 今年の後半には、Webex Developer Portal や Webex Contact Center Developer Portal で Al Assistant を使用して生成型コーディング支援ツールを迅速に検索、活用し、カスタム統合やボットなどを構築できるようになります。
通話は依然として現代のコミュニケーションの基礎であり、今や世界中で 1,500 万人を超える Webex Calling ユーザーが毎日信頼性の高い通話を体験しています。 シスコは最近、Tata Communications 社とパートナーシップを締結したことを発表しました。インド市場で Webex Calling by Tata Communications というクラウド電話サービスの提供を開始しています。 Tata 社のクラウド PSTN の到達範囲と現地の規制に関する専門知識を活用するためのパートナーシップであり、他にはないレベルの品質と規模のサービスがインド企業やインドで事業を展開する多国籍企業に提供されます。 Webex Calling by Tata Communications は一般提供されており、今すぐご注文いただけます。
従業員がオフィスに戻ったら、新しい働き方にオフィスが対応していないことに気づくかもしれません。 自分ひとりの仕事は自宅で行えるようになった今、より多くのオフィススペースをコワーキングスペースや共用スペースに充てる必要があります。こうした場面で役立つのが Cisco Board Pro G2 のようなデバイスです。 デスクの予約やコラボレーションスペースの管理には、Cisco Spaces の斬新なデスク予約機能など、新しいデジタルワークプレイス管理ツールが不可欠です。 まもなく、Cisco Spaces モバイルアプリケーションを使用して、利用可能なデスクスペースや、最近発表された Cisco Desk Phone 9800 シリーズなどのデバイスを簡単に見つけて予約できるようになります。
特にハイブリッドの世界では、人々のつながりを維持するための鍵となるのが柔軟なコミュニケーションです。 非同期ビデオ メッセージングツールである Vidcast はその好例であり、Webex アプリケーション内から利用でき、ビデオコンテンツの録画と管理をスムーズかつ効率的に行うことができます。 そして今年後半には、Vidcast Pages が新たにリリースされます。チームや部門、クライアントに合わせてカスタマイズしたランディングページを作成し、それぞれのニーズや興味に特化したビデオや厳選したプレイリストを提供できるようになります。
すでに IT 管理者にご愛用いただいている Webex Control Hub についても、AI Assistant を使用して改良を加えています。 クエリに対する回答を AI Assistant が迅速に提供するほか、シンプルなプロンプトを用いてより多くの情報に基づいた迅速な意思決定を行えるようになっています。 リモートデバイスアクセス管理や AI を活用したワークプレイスのランク付けなどのすべての新機能は、コラボレーションスペースの問題の優先順位付けや迅速な問題解決を実現し、考えられる限り最高レベルのオフィス体験を IT 部門が提供するのに役立ちます。
顧客との関係構築においては、一番最初のやり取りの印象がその後も長く続きます。 ハイブリッドワーク環境では、単に情報を共有するだけではなく、絆や文化、目的意識も築いています。 体験こそが重要なのです。 だからこそシスコは Webex プラットフォーム全体で AI イノベーションを活用しており、あらゆるやり取りにおいて、企業が優れた体験を提供できるようにしています。
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