Webex は最近、個人や企業のニーズ、スタイル、好みに合わせてカスタマイズできる新機能や機能強化を次々に打ち出してきました。その中心にあるのが、インクルーシブ、ユーザビリティ、アクセシビリティという考え方です。 私たちの多くは、人生のどこかで一時的に (または永久的に) 何らかの障がいを負います。現在、地球上の人口の 15%、つまり 10 億人を超える人々が、さまざまな障がいとともに生活しています。米国だけに限って言えば、その割合は実に 成人の 4 人に 1 人にまで上昇します。 そのように多様な人々のニーズに対応するには、よりインクルーシブな考え方が必要です。あるユーザーが何らかの原因で製品を使えない場合、その多くは他の人々にも共通するアクセシビリティの問題です。つまり、視力、聴力、認知、身体能力に障がいを抱えた人でも使えるようにデザインすることは、すべての人の使いやすさを改善することにつながります。
アクセシブル デザインを推進
Webex ではアクセシビリティを第一に掲げ、製品にユニバーサル デザインの原則を浸透させようとしています。そのため開発サイクル全体で多様なユーザーを巻き込み、フィードバックを反映させています。 すべての人が使える製品や機能を開発する上で、支援テクノロジーの使われ方を理解することは重要です。Webex のデザイン、エンジニア、プロダクト管理の各チーム メンバーは、アクセシビリティに関する教育と実地トレーニングを受けることが義務づけられています。そうした教育はデザイナーの新人研修プロセスにも組み込まれています。その成果もあり、Webex のデザイナーは最近、Webex Control Hub のデータ ビジュアライゼーションにおけるアクセシブルな色彩設計に対する賞を受賞しました。通常と異なる色覚特性を持つ人は世界でおよそ 3 億人にも上ります。そして Webex の管理者ベースの製品では、情報伝達の手段として図表やその他の視覚情報が多用されています。こうした色覚特性を持つユーザーがスムーズに業務をこなすためには、色を識別できることが非常に重要です。大規模なユーザー調査を通じて、チームはこうした色覚特性を持つ人々にとっての使いやすさを最大限に高めることができました。そうした識別しやすい図表の色は現在、Webex のデザイン システムの根幹となっています。 イノベーションを進めるには、開発プロセスを通じて多様な能力特性を持つユーザーとつながり、フィードバックを受けることが欠かせません。そのため、私たちはベータ プログラムを拡大しました。2021 年に Webex アクセシビリティ カスタマー委員会を発足させ、メンバーから聞いた意見やアドバイスを Webex の戦略とロードマップに組み込むことにしました。シスコの従業員リソース グループである Connected Disability Awareness Network (CDAN) グループはすばらしいパートナーであり支援者でした。機能をテストし、フィードバックを提供し、インサイトを共有して Webex のイノベーションを支えました。 もうひとつ重要なことは、Webex のユーザーをお互いに結びつけて会話を促進し、ベスト プラクティスを伝え合うことです。1 月 27 日には、誰もが参加できるインクルーシブなコラボレーション環境づくりに焦点を置いた、無料の Webex ウェビナー シリーズを開始します。ぜひこちらで登録してご参加ください。 ユーザーとプロセスに対する取り組みに加え、Webex では新しい製品イノベーションと機能により、ユーザーのアクセシビリティを改善してきました。使いやすさへの小さな工夫が大きな成果を生む
私たちは、ほんの小さなきっかけが大きな変化を生むことを理解しています。ユーザビリティとインクルーシブなデザインについては特にそうです。Webex の自動字幕は自然言語処理を使い、英語での会話を、100 言語を超える字幕に高い精度で書き起こします。この機能は間もなく、13 の話し言葉から 100 を超える字幕言語への翻訳に拡大されます。この機能により、聴覚に障がいのある人、言語の補助が必要な人、またはリアルタイムで書き起こされた文字を読む方が望ましい場所にいる人など、より多くのユーザーから言語の壁を取り除くことができます。 さらに Webex では、字幕機能を Webex Assistant から独立させます。つまり、Assistant がなくても、すべての出席者が字幕を利用できるようすることで、Webex がよりインクルーシブでアクセシブルになります。また、引き続きキーボード ショートカットのライブラリを充実させ、マウスを使用しなくても必要な機能にすばやくアクセスできるようにしていきます。Webex の音声インテリジェンスでインクルーシブな会話を促進
シスコ独自の音声インテリジェンスは人の声を抽出して明瞭さを高めることで会話を聞き取りやすくする一方、周囲の気になる会話などを消去します。自分の声に最適化 (Optimize for my voice) 機能を使うと、マイクが特に話者の声に集中して、他の参加者が聞き取りやすくします。すべての人の声に最適化 (Optimize for all voices) は全員の声を聞き取りやすくします。新しいスマート音声キーボード ショートカットを使えば、マウスを使わずにこれらを簡単に切り替えることができます。 すべての人の声に最適化 (Optimize for all voices) は現在、一部のお客様にのみご利用いただけます。一般提供開始は 2 月の予定です。主催者、参加者、通訳者の通訳エクスペリエンスを強化
Webex の同時通訳ソリューションは、主催者、参加者、通訳者がそれぞれ柔軟にカスタマイズでき、すべてのユーザーの使用体験を向上させます。このソリューションでは、会議および最大 10,000 人が参加できる大規模イベント (ウェビナー)、1 チャネルあたり複数通訳者、同時通訳 (直接およびリレー)、双方向通訳に対応しています。 より多くの出席者のニーズに応えるため、主催者は会議やウェビナーをスケジュールするときに同時通訳を有効にできます。最大 110 言語のチャネルが作成され、会議の開始前、または開始後でも通訳者を割り当てることができます。新しくアイコンを追加したことで、通訳者とパネリストや出席者を見分けやすくなり、会議の進行が容易になります。参加者は会議に参加するときに好みの言語を選択して、通訳者の声と会議音声の感度のバランスをスライダーで調整できます。また、通訳者はスイッチで言語方向を切り替えたり、他の通訳者へ引き継いだりすることもできます。自分のステージをカスタマイズして同期
手話通訳者を常に表示したいときや、認知機能をサポートするために 1 つの画面にフォーカスしたいとき、またはその両方の場合でも、主催者や参加者が必要な人やものに簡単にフォーカスできるようになります。ビデオ サムネイルをドラッグ アンド ドロップするだけで、簡単にステージをカスタマイズできます。また、主催者と共同主催者はステージを同期してすべての参加者の表示画面をコントロールすることもできます。 ステージはリアルタイムで更新され、参加者のエクスペリエンスをより柔軟に、きめ細かく調整できるようになります。ビューをカスタマイズすることは認知にかかわるアクセシビリティの向上に役立ち、情報処理の方法に障がいを持つユーザーが参加しやすくなります。たとえば、ステージが同期されていない場合、参加者は高度なレイアウト コントロールを使用して自分の会議ビューをカスタマイズし、フォーカスする対象を選ぶことができます。以上は、Webex がコラボレーションをよりインクルーシブかつアクセシブルにするために行っている変革のほんの一部です。今後もさらに増える予定です。Webex チームは現状に満足せず、今後も新機能や機能強化を続々と発表する予定です。ご質問やご意見、ご提案をお待ちしております。ぜひ accessibility@cisco.com までメールでお寄せください。インクルーシブかつアクセシブルなコラボレーションの実現に向けたシスコの取り組みについて詳しくは、次のリンクをご覧ください。 https://www.webex.com/ja/accessibility.html https://www.webex.com/ja/inclusive-collaboration.htmlその他の記事 従業員のウェルビーイングを最優先する Webex の新しいインサイト機能、Connections の紹介 ハイブリッド環境における業務の質とカスタマー エクスペリエンスの向上 Webex の最新情報: 2022 年 1 月