Webex の強みを生かして AI 時代の顧客体験を推進

On By Lorrissa Horton1 Min Read
IT Leader Using Webex Contact Center To Manage Organization Devices | Feature

サービスとしてのコンタクトセンター(CCaaS)業界は、大きな変化を遂げつつあります。 顧客が求めているのは問題の迅速な解決とより簡単な方法での関わり方であり、企業はそうした顧客の要望に急いで対応しようとしています。 自動化と AI がその助けになると考えられていますが、AI が導入された新しい世界では体験の重要さを見失わないことが重要です。 ひどい体験によって、企業の収益や顧客のロイヤルティ、さらにはブランドの評判さえも損なわれる可能性があります。

Webex は、多くのグローバル企業の顧客体験を支えています。 また、クラウドベースのコラボレーションスイートと、クラウド電話に関する豊富な経験でもよく知られており、Webex Calling のユーザー数は 1,400 万人に上ります。 AI の分野では、言語インテリジェンス、オーディオインテリジェンス、ビデオインテリジェンスにおける 10 年の経験があります。 Webex では、顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)のハードルがますます高くなっていることを認識しており、お客様がこの CX と AI の新時代に対応していけるよう、最高のイノベーションを提供しています。 コンタクトセンター ソリューションには、Webex に期待されているレベルと同じレベルの品質、革新性、信頼性を持たせています。

最新の Webex Contact Center ソリューションは自己学習型であり、デジタルと音声の両チャネルが統合された体験を生み出します。 プロアクティブなコミュニケーションを通じてカスタマーアラートとセルフサービスオプションを提供し、顧客が人間のエージェントによる対応を必要とする際には、Webex がシームレスに接続します。 Webex Contact Center は単一のソリューションであり、顧客からエージェント、スーパーバイザ、バックオフィス、IT 部門に至るまで、顧客体験ジャーニーに関わるすべてのユーザーをサポートします。 Webex は、お客様が最高の顧客体験を提供できるよう信念をもって取り組んでいます。

顧客体験のための、目的に合わせて構築した AI

Webex では、顧客体験の向上、エージェントの業務能力向上、ビジネスの効率化など、顧客エンゲージメントのエコシステム全体にわたって、目的に合わせて構築した AI の力を活用しています。 Cisco Webex AI Assistant は、顧客ニーズの予測、問題の迅速な解決、豊かな体験の提供に役立ちます。

Webex を使用する利点の 1 つは、AI 戦略の一環として、大規模言語モデル(LLM)とリアルタイムメディアモデル(RMM)の両方を使用していることです。 業界では LLM を中心として、テキスト(電子メール、メッセージ、文字起こし、ドキュメント)に焦点が当てられています。 一方 Webex では、音声や声のトーン(オーディオ)、リアクションやジェスチャー(ビデオ)など、マルチメディアのデータを活用する RMM にも焦点を当てています。 LMM と RMM を組み合わせることの利点は、コンタクトセンターが利用できるインテリジェンスがそれだけ豊富になることです。 たとえば電話での会話できれいな音声を録音できれば、文字起こしや通話内容の要約がより正確になります。 通話品質が悪くて会話の一部が聞き取れないと、要約が不完全になり、顧客が同じことを話さなくてはならなくなります。 より質の高い体験は、顧客満足度(CSAT)スコアの上昇や、顧客の総合的な満足度の向上につながります。

「金融サービス業界では、従業員が一流のカスタマーサービスを提供できるよう、適切なテクノロジーを導入することが重要です。 First Horizon Bank は、シスコと長年にわたってパートナーシップを結んでいます。当行では、Webex Contact Center 向け Cisco AI Assistant を試験的に導入し、コンタクトセンターのエージェント、または「バーチャル行員」が記憶に残る顧客体験を提供できるようにしています。

わずか数週間で、顧客からの問い合わせの処理にかかる時間が 4 分の 1 に改善され、エージェントウェルネス機能だけでも、顧客満足度スコアが 1 ~ 5 段階中の 4.8 から 4.9 に上昇したとの報告があります」

First Horizon Bank、音声サービスマネージャ、VP、Jason O’Dell 氏

CSAT スコアについては、最高スコアと最低スコアの両方を可視化することが、改善を継続するためには重要であると考えています。 それが、自動顧客満足度(CSAT)スコアの機能を開発した理由です。 この機能では独自に開発した AI 機能を使用して、顧客との対話後の CSAT を予測します。対話後の調査ではたった 3 ~ 10% しか回答を得られないのに対して、すべての対話を意思決定に活用できるようになります。

自動顧客満足度(CSAT)スコア

また、コンタクトセンター内の日常業務を強化するために、いくつかのイノベーションにも取り組んでいます。 たとえば、現在ベータ版として提供されているトピック分析という新しい機能は、AI を活用して、顧客がコンタクトセンターに電話をかけてくる理由のうち上位にあるものを特定します。 このインサイトがあれば、スーパーバイザはワークフロー自動化戦略とデジタル対応戦略を構築することで、電話がかかってくる上位の理由にプロアクティブに対処できます。 内容によっては電話の必要性を完全に排除できる可能性もあります。 通話件数が大幅に減り、より複雑で価値の高い顧客対応にエージェントが専念できるようになるのです。

Webex トピック分析(ベータ版)

エージェントの業務能力向上

より多くのワークフローを自動化することは、組織にとって目的のはっきりした道に思えますが、現実には、人とのつながりが最高の体験を提供する場合もあります。 このような状況では、仮想エージェントから人間のエージェントへの引き継ぎが必須です。 顧客にとっては、引き継ぎは本当にフラストレーションの溜まる原因になる可能性があります。 同じことをもう一度伝えなければならないのは、誰にとっても嫌なことです。

しかし、そのような機械的な引き継ぎではなく、人間のエージェントに引き継ぐ際に必要な情報が伝わるとしたらどうでしょうか。 ここで、会話要約機能が顧客体験の改善に役立ちます。 AI を活用するこの要約機能は、顧客と仮想エージェント間で行われた最初のやり取りの要点をまとめます。 電話を受ける人間のエージェントに会話が転送される際には、関連するすべてのコンテキストが保持されているので、 顧客は同じ話を繰り返す必要がないためにフラストレーションを感じることなく、より合理的で満足度の高いサポート体験を得られます。さらに、解決までの時間も短縮されます。

また会話要約機能により、通話が切れてしまった場合にも継続性が保たれます。電波状況が悪いせいで携帯がつながらなくなる状況は、誰もが経験したことがあるはずです。 中断通話要約機能によって、次に電話を受けたエージェントが、どこで顧客との通話が切れてしまったのかを正確に確認できます。 会話要約機能、中断通話要約機能、自動顧客満足度(CSAT)スコア、トピック分析など素晴らしい機能の数々が、現在はベータ版としてご利用いただけます。

AI アシスタント機能が組み込まれた Webex Contact Center

それだけでありません。さらに一歩進め、生成 AI を活用した応答提案機能をエージェントが利用できるようにします。 この新機能は 2024 年下半期にベータ版として提供される予定で、デジタルな対話を分析し、会話のコンテキストに基づいてコンタクトセンターのエージェントに最適な応答を自動的に提案します。 ここでも AI の働きによって、効率性と有効性を高めて顧客体験を向上させます。

Webex Contact Center エージェント コンタクト要約

Webex Contact Center でさらなる価値を提供

エージェントのパフォーマンスの最適化に向けて、Webex のワークフォース最適化の中核的な品質管理機能が Webex Contact Center の新ライセンスに含まれることになりました。 さらに、脈々としたイノベーションの流れをお客様に提供することに重点を置いた Webex の取り組みの一環で 2024 年夏にお届けするのが、これまでに以上に深化した、主要 CRM プロバイダーとの新たな統合です。 Salesforce、Microsoft Dynamics 365、ServiceNow との統合により、エージェントは顧客情報を滞りなくシームレスに処理し、統合されたデスクトップから高度な通話関連タスクを直接管理できるようになります。 これでワークフローがシンプルになり、全体的な効率が向上します。

セキュリティと信頼性は欠かせないもの

このブログでは主に Webex Contact Center と AI に焦点を当てていますが、それとは別のアドバイスを 1 つご紹介したいと思います。 それは、インテリジェントな AI 体験の実現に必要となる膨大なデータには、多大な責任が伴うということです。 つまり、顧客との信頼関係を維持しながらそれらの体験を保護する責任です。

シスコには、エンタープライズグレードのセキュリティの提供に関する豊富な経験があります。これが、AI を活用した CX 戦略を追求すると同時に強固な保護を求めている企業にとっての信頼できるパートナーとしてシスコが位置づけられている理由です。 シスコの責任ある AI フレームワークでは、セキュリティ、プライバシー、人権を製品開発の最前線に据えた AI ガバナンスへの取り組みを概説しています。 シスコへの高い評価もあって、この強固なセキュリティ基盤が、セキュリティとプライバシーが最大の関心事である市場において高い信頼レベルを維持しています。

Webex Contact Center エージェント - Webex Contact Center によるユーザー管理

Webex の多様な CX ソリューション

企業が AI を活用した CX 戦略を追求する際に、考慮すべき点が多々あることをシスコは理解しています。 企業のニーズはさまざまであり、変革のフェーズが異なる可能性があることも認識しています。 この多様なニーズに応えるために、Webex では UCaaS、CCaaS、CPaaS の機能を最大限に活用した CX ソリューションのポートフォリオを提供しています。 優れた顧客体験を届ける責任はすべての人にあるという思いから、コンタクトセンターのエージェント、従業員、各チームのニーズを満たすさまざまなオプションを設計しました。 以下は、Webex の CX ソリューションの内容です。

  • Webex Contact Center(Standard、Premium)は、AI 機能を備えたオールインワンのマルチテナントのクラウド カスタマーサポート ソリューションであり、幅広い業種、ユースケース、地域に対応しています。
  • Webex Contact Center Enterprise は、包括的でカスタマイズができる、高度にセキュアな専用インスタンスのクラウドソリューションを提供します。世界でも最大規模のコンタクトセンターの複雑なニーズを満たすものです。
  • Webex Customer Experience Essentials は、エージェントとスーパーバイザ向けの機能を、従来のコンタクトセンターの外部にいる顧客対応の従業員にまで拡張するものです。組織全体で、CX ツールへのシームレスなアクセスが可能になります。
  • Webex Customer Experience Basic は、Webex Calling Professional ライセンスの一部として提供されます。 コールセンター機能を提供するためにバンドルされたシンプルで強力な機能セットが含まれており、 着信コールを管理する必要があるチームに最適です。
  • Webex Connect は、自動化されたデジタル顧客エンゲージメントを構築するための、エンタープライズグレードのクラウド CPaaS(Communications Platform-as-a-Service)です。

開始方法

顧客体験を次のレベルへ引き上げることをお考えであれば、 Webex Contact Center をぜひご検討ください。 いつでも CX 変革の取り組みをお手伝いいたします。 詳しくは、Webex Contact Center のページをご覧ください。今日にでも使い始めることができます

Webex Contact Center をすでにご利用のお客様は、 Webex Contact Center 向け AI Assistant のベータプログラムにご登録いただき、AI を活用した新機能をぜひお試しください

Enterprise Connect 2024 で発表された Webex の詳しい情報:

About The Author

Lorrissa Horton
Lorrissa Horton SVP/GM, Chief Product Officer Cisco Collaboration Group Cisco
Lorrissa is SVP/GM and Chief Product Officer for Collaboration software at Cisco.
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