テクノロジーを活用した効果的なミーティングスペースを設計するのは難しいものです。その理由は、従来の 2D の計画グリッドでは伝えるのが難しい、会議室内とリモート参加者側のエクスペリエンスを設計する必要があるからです。また、会議室内に高品質のコラボレーション テクノロジーを導入するだけでは不十分です。設計は、導入するテクノロジーと同じくらい重要です。ワークスペースの設計を正しく行えば、設計標準、ポリシー、全体的なワークプレイス戦略に沿った形で、エンドユーザーとサービスオーナーの両方にメリットをもたらすことができます。
会議室の設計では、カメラやマイクの配置、テーブルの形状、席の配置、テーブル周りの空間、モニターのサイズ、人間工学など、体験の成否を左右する細かい部分に気を配る必要があります。IT 部門以外の関係者や外部の請負業者と認識を合わせようとすると、細かい情報が抜け落ちることもよくあります。また、設計段階では選択するテクノロジーを正しく評価できず、意思決定のサイクルが延びたり、プロジェクトの遅延でコストがかさんだりすることも珍しくありません。
効果的なワークスペースを大規模に設計
このような課題があるため、シスコは昨年 Cisco Workspace Designer をリリースしました。最新のワークスペースの構想、設計、実現の方法にパラダイムシフトをもたらすツールです。複雑な意思決定を簡単に行えるようにして、体験の品質を損なわずにワークプレイスの変革を加速させる使いやすい強力なツールを提供することで、従来の設計の負担を解消するよう設計されています。
Web ブラウザベースの 3D エンジンは、最新のワークスペースに関するシスコの深い専門知識とベストプラクティスを体系化したものです。任意のデバイスからシスコの Web サイトを経由してアクセスでき、会議室のタイプとサイズに基づいてデバイス、家具のレイアウト、AV 構成を自動生成します。これは、シスコの内部ガイドラインを取り入れながら、ユーザー体験を最適化することを優先して行われます。わずか数クリックで、ワークスペースのタイプを定義して、ベストプラクティスに基づくエキスパートからの設計ガイダンスを受け取り、リアルタイムのフィードバックを参考にしながら設定をカスタマイズし、詳細なブループリントと構成要素(BOM:Bill of Materials)を即座に生成できるため、短時間で価値を実現し、導入に必要な機器を明確に把握できます。
Workspace Designer をリリースした後も進化は続いています。スペーステンプレート、会議室の特徴、デバイスを増やし、ワークスペース導入に関するその他の重要な考慮事項を追加しています。

Cisco Workspace Designer 1.6 の最新情報
デスク、オープンデスク、フォーカスルームの設計
デスクスペースの設計に関しては、考慮が必要な事項が多数あります。たとえば、デスクでのコラボレーションのユースケース、人間工学、設置、ワークプレイス戦略との兼ね合いを考慮してテクノロジーと機能を決めていく必要があります。
会議室や学習スペースだけでなく、スタンドアロンのデスク、オープンデスク、フォーカスルームのシナリオも Workspace Designer の対象にしました。このツールを使って、Cisco Desk Phone、Web カメラ、ヘッドセット、オールインワン デスク コラボレーション デバイスを使用したデスクスペースを、最適な体験が得られるように構成できます。また、2 台目のスクリーンを追加したり、テーブルサイズを調整したり、テクノロジーの予想動作を確認したりすることもできます。
幅広い選択肢の中から選択するのは気が遠くなります。そのため、プリセットのデスクシナリオから選べるようにしました。基本導入から、音声に最適化した導入、ハイブリッド、オールインワン ビデオ コラボレーションまでさまざまなシナリオを用意しています。視覚化して製品同士を比較し、実用的なガイダンスを受けながら、ユースケースとユーザータイプに最適なデスクテクノロジーを見つけることができます。
AVoIP 会議室周辺機器の拡張用のスイッチの選択
大規模なスペースや、複雑なネットワーク接続型アクセサリをいくつも使用した複雑な AV 導入では、ビデオデバイスのポートや PoE 電力バジェットが足りなくなる場合があります。Workspace Designer では、拡張した AV over IP アクセサリのネットワークに追加の PoE ポートや電源容量が必要な場合は、ネットワークスイッチがスペースに自動的に追加されるので安心です。

幅広い IP ベースのアクセサリに給電できる完全なネットワーク管理型の がCisco Catalyst 9200CX スイッチ登場しました。このスイッチは、PoE バジェットと物理ポートを十分に備えたコンパクトなファンレススイッチで、ネットワークを備えた会議室を拡張するための新たな方法を示すものです。
最適なスイッチシリーズがわからなくても大丈夫です。新しい比較表を使って、最も必要になる重要な機能を特定し、3D モジュールで推奨配置を確認できます。
RoomOS 26 で会議室を可視化
今回のリリースでは、シスコデバイス向けクラウド接続オペレーティングシステム RoomOS の進化版である RoomOS 26 によって、スペースを可視化できるようになりました。ワークフローを簡素化する最新の直感的なインターフェイスと、さまざまなワークスペースの落ち着いた色合いのルックアンドフィールが導入されています。
これは、以前に追加された、3D エクスペリエンスの [スクリーン(Screen)] コンテキストメニューで使用できるホワイトボードやホットデスク UI のシナリオを補完するものです。Cisco Desk Series や Board Pro G2 シリーズなど、タッチ対応シスコデバイスのホワイトボードのユーザー体験を簡単に可視化できます。ホットデスクモードでは、Cisco Desk シリーズや Desk Phone 9800 シリーズデバイスにデスクの空き状況が表示されます。

拡張クロスビューのカバレッジの有効化
シスコは今年、新しい Cisco Room Vision PTZ カメラを Workspace Designer に対応させ、高度なプレゼンター追尾機能、シネマティッククロスビュー、拡張発言者ビューを使用して会議室やトレーニングスペースを構成できるようにしました。この IP ベースの追尾カメラはマルチカメラ導入環境で電動のパン/チルト/ズーム機能をサポートしており、選択した設定によっては、拡張クロスビューのカバレッジを自動的にモデリングして、テーブル周辺の人をより多くキャプチャします。
また、3D モジュールのカメラカバレッジセレクタでは、ハイライトするカメラのオーバーレイを簡単に選択したり、すべてを一斉に表示したりできるため、マルチカメラ構成の技術確認がしやすくなります。

最近のワークスペース設計のさまざまなイノベーション
シスコがここ数か月で Workspace Designer に導入した他のさまざまな機能拡張をご紹介します。これらの機能によって、会議室を大規模に計画する際にさらなる価値が提供されます。
カスタム会議室設計のインポート
カスタムコールセンター、大規模な集会スペース、役員室の設計にも、Workspace Designer は対応しています。このインタラクティブなツールではシスコの検証済みデザイン標準に基づいた一般的なスペースタイプと、実現したい体験を起点にした使いやすい構成ウィザードを組み合わせて提供しています。ただし、必ずしも画一的なアプローチがうまく適用できるとは限りません。そのため、標準外やカスタムの会議室構成をサードパーティの設計ツールからインポートできるようにしました。
最先端のシナリオも設計できるようになり、強力なカスタム会議室 API と業界標準の JSON 形式を使って Workspace Designer にその設計をインポートできます。長方形でないレイアウトのスペースを構成する場合や、カメラのカスタム配置が必要な場合、マイクをシスコのデフォルトのガイダンスとは異なる位置に設置する必要がある場合、あるいは、次回の新たな建設プログラム、再設計プログラム、テクノロジー更新プログラムでフロアプラン全体を作成し直す場合などには、カスタム会議室インポート機能を使用することを検討してください。

カスタム会議室インポートでは、最大限に活用する方法や、手順を追ったデフォルトの構成ウィザードと比較した制限事項について説明しています。
接続要件の確認
ケーブルマップは、シンプルでありながら詳細なシステム図を提供します。これにより、AV コンポーネントの接続方法とシステムの電力と信号の流れ方を簡単に把握できます。
設置に必要な電力、ネットワーク、HDMI、USB、アナログケーブル配線が一目でわかる概要に加えて、Workspace Designer では、動的に更新されるポート容量のスナップショットとリアルタイムの推奨事項も提供されるため、構成を変更した場合の影響を簡単に把握でき、計画プロセスをスムーズに進めることができます。また、利便性を高めるために、ブループリントのケーブル選択で、接続されている各 AV over IP デバイスの Power over Ethernet(PoE)使用状況が表示されるようになりました。

そのような配線モデルが 3D で表示され、最終的なブループリントにも組み込まれるため、必要な配線やそれらを配置すべき場所を、設計者とすべての関係者が確認できます。そうすることで思い込みをなくし、導入を一度で正しく完了できるため、コストのかかる再構築やプロジェクトの遅延が発生しません。
長い会議室にサイドモニターを追加
大きな会議室のテーブルの端にいる人も共有コンテンツをはっきりと確認できるように、追加のモニターを側壁に設置するとよいでしょう。大規模会議室のシナリオのサイドバーにあるスクリーン設定ステップから設定できます。

有線でのコンテンツ共有を追加
RoomOS でサポートしているデフォルトのワイヤレス共有方式に加えて、会議室体験を向上させるために、アクティブ USB-C ケーブル、マルチヘッドケーブル、従来の HDMI ケーブルなど、有線でのコンテンツ共有オプションも選択できるようになりました。

アクセシビリティのベストプラクティスを実践
アクセシビリティビューをオンにすると、ワークスペース設計がインクルーシブデザインのベストプラクティスに従っているか確認できます。設定を改善するための視覚的な指示と実用的なヒントも表示されます。

ワークスペース管理に役立つ新しいポータル
Workspace Designer は、技術知識の有無を問わず誰でも、エキスパートのガイダンスが付いた直感的な設計機能を利用できるようにしたことで、障壁をなくし、スピーディーな意思決定と部門間の認識合わせを促進します。その結果、設計プロセスが効率化され、チームが能動的に働けるようになり、ワークスペースでのテクノロジー導入を成功させて、拡張可能な適切な会議室体験を創出できます。






