スマートフォンが登場したとき、アナリストたちは働き方に革命が起こり、やがてスマートフォンが仕事における主要なコミュニケーション手段になるだろうと予測しました。 ハイブリッドワークへの移行が進み、好きなデバイスを使ってほぼどこからでも仕事ができるようになった現在の様子を見れば、当時の予測は的中したと言えます。
最近発表されたシスコと AT&T 社のコラボレーションに関する提携より、今お使いのモバイルデバイスが近々主要なコミュニケーションデバイスへと生まれ変わるでしょう。
多くの企業がまだ移行段階にあるとはいえ、ハイブリッドワークは世界中に普及しています。 ハイブリッドワークが定着した今、私たちの働き方は大きく変わりしました。 いつでもどこにいても、自宅かオフィスか外出先かに関係なく働けるので、従業員はこれまで以上にモバイルデバイスを活用するようになっています。
しかし一昔前までは、統合型モバイルソリューションといえば個人のデバイスに「後付け」されたものであり、利用できるのは基本的な PBX 機能にほぼ限られていました。 ネイティブダイヤラ(別名、デュアルペルソナ)に対応するようになったのは、大きな進歩でした。 といっても、デバイスの管理はエンドユーザーに任されていたので、使い勝手が良いとはとても言えませんでした。 公共部門や金融などの業種のユースケースでは、コンプライアンスとセキュリティの問題が懸念されています。
完全なコラボレーション体験を提供してきたモバイルソリューションは、世界でもほんのわずかです。 そうしたソリューションでさえ、残念なことに導入も使用も管理も簡単ではありませんでした。
ハイブリッドワークが定着したことでユーザーの期待も変化しており、IT 専門家はクラウドベースのアプリケーションへの移行に積極的です。 コラボレーションおよびコミュニケーションにおける接続とセキュリティ コンプライアンスはますます重要になるなかで、簡単に得られて親しみやすい、堅牢なモバイルワーク エクスペリエンスがこれまで以上に求められています。
先ほども述べたように、仕事で使用される主要なデバイスはモバイルデバイス(これにはラップトップは含めません)になってきています。 実際、Gartner 社が実施した最新の調査によると、2025 年までに従業員の 75% が仕事で固定電話を使わなくなり、仕事用の主なコミュニケーションデバイスとしてはモバイルスマートフォンを使用するようになるとのことです。
モビリティがこれほど重要であるにもかかわらず、現在モバイルデバイスを使用しているほとんどの従業員が会社のネットワークやダイヤルプランに接続していません。 この状況は企業をセキュリティリスクにさらすだけでなく、顧客体験の最適化にも影響を与えます。
ハイブリッドワークが登場し人気を集めたことに加えて、次の 2 つのトレンドが職場でのモバイルデバイスの普及を後押ししています。
- 企業はクラウド型統合コミュニケーションサービスである UCaaS(Unified Communications as a Service)に移行することで、アプリベースのモバイル コラボレーション ツールの提供が必要になる。
- さらにエンタープライズグレードのモバイル通話、コラボレーション、デバイス管理のニーズもある。
事実、Fortune Business Insights 社による 2022 年の調査によると、世界のモバイルデバイス管理市場は 2023 年の 93 億 8,000 万ドルから 2030 年には 583 億 8,000 万ドルにまで拡大すると予測されています。 その主な推進力となっているのがモバイルデバイスの成長です。
シスコは数年前からサービスプロバイダーと提携し、米国外でモバイルファーストのソリューションを提供してきました。 これは大きな成功を収めています。 そしてこのたび、AT&T社と共同でWebex Goを提供する運びとなり、このノウハウを米国で活用しています。 これにより、AT&T 社のネットワーキングの専門知識と全国的な 5G ネットワーク、シスコの最新コラボレーション製品が結び付きます。 シスコは今年ラスベガスで開催された Cisco Live で AT&T 社との共同ソリューションである Webex Go を発表しました。
Webex Go with AT&T は、シスコの Webex プラットフォームと AT&T 社のワイヤレスネットワークを統合したサービスであり、高品質の音声に加え、Webex のすべてのコラボレーション機能とアプリケーションが提供されます。 Webex Go with AT&T が有効になっているモバイルデバイスでは、デュアル SIM カード(またはデバイスのロック解除)なしで他の Cisco Webex デバイスに簡単に接続することができ、会議室に入ってデバイスを切り替えることもできます。
AT&T Business の製品および価格設定担当シニアバイスプレジデントである Mike Troiano 氏(以下、MT)に、今回のコラボレーションとソリューションについての考えをお聞きしました。
DP(筆者):お会いできてうれしく思います。 今回のソリューションとコラボレーションで一番注目しているのはどんなことですか?
MT:米国で最も信頼性の高い 5G ワイヤレスネットワーク1と業界をリードするコラボレーション ソリューションを初めて融合させ、他に二つとないハイブリッドワーカー向けの差別化されたソリューションを生み出そうとしていることです。 Webex を活用すれば、エンタープライズグレードの高性能な通話機能を、モバイルデバイスで標準機能として利用できるようになります。 さらに、自宅やオフィス、外出先でも、デバイスとネットワーク間で発信、着信、転送を安全に行うことができ、シームレスなユーザー体験が実現します。 これは本当に画期的なサービスです。
DP:このソリューションによってユーザー、企業、IT 管理者のコラボレーションとモビリティはどのように変化しますか?
MT:3 つの分野で大きく変化します。 まずビジネスでは、より安全で生産性の高いコラボレーションツールを従業員に提供できます。 そして IT 管理については、既存のコントロールハブ インターフェイスを活用した使いやすい単一のインターフェイスにより、すべての AT&T のワイヤレス番号と Webex ユーザーの設定、管理を行えます。 最後にユーザーにとってですが、とにかく便利になります。 Webex モバイルアプリ以外に追加のアプリは不要で、携帯電話のロックを解除する必要もありません。AT&T モバイルデバイスで標準の電話アプリを使用して電話をかけたり受けたり、標準の SMS アプリを使用してテキストメッセージを送受信できます。
DP:ハイブリッドワークを加速し、より良いものにするこの共同ソリューションについてどう思いますか?
MT:モビリティへの移行がハイブリッドワークモデルを加速させています。 テレワークやモバイルワークをしている従業員の場合、同僚や顧客とのやり取りが難しくなることも多いのですが、それも簡単に行えます。 企業もまた、デバイス管理と全体的なコストを効率化する方法を模索しています。
DP:両社が提供する共同ソリューションはモバイルビジネスサービスの変革にどう影響すると思いますか?
MT:ビジネスにおいてモビリティに移行する動きはすでに始まっています。 このソリューションによって変革はさらに加速していくでしょう。コミュニケーションとコラボレーションのあらゆるニーズに対応した、より安全でモバイルファーストのビジネスソリューションがどこにいても提供されるからです。 企業にとって最も重要なことは、生産性を高めてエンドユーザー体験を向上させることです。
DP:ありがとうございました。
MT:こちらこそありがとうございました。
このブログのパート 2 では、Webex Go with AT&T がモバイルユーザーの体験をどのように向上させるかを中心に紹介します。
*Webex Go with AT&T と AT&T Cloud Voice with Webex Go は追加料金なしに利用できコストも増えませんが、AT&T Business Wireless CRU 認定モバイルプランを契約し、AT&T 社または AT&T 社の認定パートナーからデバイスを購入する必要があります。また、Webex Suite の Calling と、Cloud Voice with Webex Go Bolt-on が有効になる Webex Go アドオンライセンスを Webex VAR(リセラー)から取得する必要があります。
*Webex Go with AT&T は 2023 年第 4 四半期から利用可能になる予定です。
*Webex Go with AT&T は、AT&T 社では「AT&T Cloud Voice for Webex Go」という名称です。
1GWS による全国的なドライブテストデータに基づきます。 GWS は AT&T 社の依頼を受けて有料ドライブテストを実施し、そのデータを分析に使用しています。 AT&T 5G には互換性のあるプランとデバイスが必要です。 5G はどこでも使用できるわけではありません。 詳細は、att.com/5Gforyou にアクセスしてご確認ください。