コラボレーションとは

On By Caitlin Ultimo1 Min Read
What is collaboration?

コラボレーションとは

概要: コラボレーションは、ただのはやり言葉ではありません。平等で住みやすい世界を実現する、命を救う薬やテクノロジーの開発を発展させられる手段なのです。コラボレーションという言葉の意味を完全に理解するには、そのやや漠然とした概念を分解して考える必要があります。そうすることによって、コラボレーションとは何かを理解できるだけでなく、よりよいコラボレーションの仕方も学べるのです。 目次 私たちは常にコラボレーションを行っていますが、その意味や効果的な方法について考えることはあまりありません。この記事では、まず基本的な考え方に立ち返ってコラボレーションについて考え、最後にコラボレーションの未来についても簡単にご説明します。

コラボレーションとは

コラボレーションとは、協力、共同、あるいは誰かと共に何かを生み出したり制作したりすることを意味します。また、2 人以上が作業にかかわっていれば、親しい関係であっても見知らぬ人とであっても、コラボレーションは成立します。コラボレーションは、単独で進めた場合よりも優れた成果を上げるために行うものです。実のところ、コラボレーションを正確に定義するのにあまり考えすぎる必要はないのです。

コラボレーションのその他の一般的な定義

信頼性の高い、昔ながらの『メリアム・ウェブスター辞典』で「collaboration」という単語を引くと、「特に知的な取り組みについて、他者と共同あるいは協力して行うこと」と定義されています。また、Google で “コラボレーションとは” と検索すると、「何かを生み出したり制作したりするために他者と共同で作業を行うこと」という、辞書と同様の説明が得られます。 “他者と共同で” というのは、一見とても単純に思えます。しかし、今回はこれをさらに掘り下げ、コラボレーションをすることが私たちにとってどのような意味を持つのかを実務レベルで考え、理解を深めていきます。コラボレーションについてもっとよく理解するために、まずは事例を見てみましょう。

至るところで見られるコラボレーション事例

TikTok マンションの誕生から、20 以上のアーティストとのコラボにより制作された Elton John の新作アルバム『The Lockdown Sessions』(参加アーティストには Dua Lipa や Lil Nas X なども!) のリリース発表まで、今や革新的なコラボレーションは、2020 年に至る場所に設置されるようになった消毒スペースと同じくらい、世間に浸透しています。 Elton John と Lil Nas X もしあなたが化粧や食事を楽しんだり、あるメーカーの下着を身に付けて Reddit に投稿したり (詳細はこちらの PDF をご覧ください)、Target で服を買ったりしているなら、何らかのコラボレーションによって生まれた商品を購入している可能性が非常に高いといえます。もちろん、仕事や交流の際にオンラインで人と会うのもコラボレーションに含まれます。 しかし、華やかでメジャーなこうしたコラボレーション以外にも、見えないところであらゆる連携がひそかに行われているのです。例えば The END Fund は、彼らの取り組みなしでは知り得ないような世界的な健康問題について、人々の関心を高めるためのコラボレーションを実施しています。

コラボレーションの種類

まず、コラボレーションの形態は 2 つあります。
  1. 同期型: オンラインか対面かにかかわらず、リアルタイムで行われるコラボレーションを指します。オンライン チャット、ビデオ会議による対面のミーティング、あるいはドキュメントやスプレッドシートのリアルタイム編集など、チームが同期型コラボレーションを行う方法は多岐にわたります。
  1. 非同期型: リアルタイムで行われないコラボレーションを指します。作成者から共有されたドキュメントやプレゼンテーション資料にメモやコメントを追加するといった作業がこれに分類されます。例えば、本ブログは複数回にわたって編集されているので、非同期型のコラボレーションを通じて作成された記事といえます。また、Vidcast は非同期型のビデオ コラボレーションを可能にするツールです。
コラボレーションはさらにいくつかの種類に分類可能 職場でのコラボレーションにはさまざまな形があり、種類もそれぞれ異なります。各チームは内部でコラボレーションすることもできますし、職能の域を超えたり組織を横断したりして協働する機会もあります。また、コラボレーションの輪をどの程度オープンなものにすべきかという問題もあります。言い換えれば、コラボレーションに巻き込む人をどれくらい絞るべきかという議論です。その他のコラボレーションは、協働を可能にしたり促進したりするツールを使ったものです。では、職場でのコラボレーションの種類をご紹介しましょう。 人を中心としたコラボレーション
  • チーム コラボレーション: 複数の人が集まって、問題を解決したり何かを制作したりします。このチームは、特定の課題に取り組むタスク フォースのような組織として編成されることもあれば、常時稼働の部門としてすでに存在している場合もあります。
  • 組織横断型のコラボレーション: 同じ会社の異なる部門に属するチーム同士が協力して大型プロジェクトを進めます。ブランド マーケティング、デジタル マーケティング、ウェブ、そしてクリエイティブの各部署から集まった社員が、新しいアセットのリリースに向けて協働するプロジェクトはその一例です。
  • ソーシャル コラボレーション: コミュニティ コラボレーションとも呼ばれるクラウドソーシングの一種で、まったく見知らぬ他人同士が、共通の目的または意図を持ってチームを組みます。この種のコラボレーションは小規模から始まり、のちにバイラル化することがあります。 
ソフトウェアを使ったコラボレーション:
  • コンテクスト型コラボレーション: PC Magazine 誌によると、「コンテクスト型コラボレーションによって、さまざまなコラボレーション アプリケーションの統合が、かつてないほど推進される」といいます。これにより、ユーザーは使用したいコラボレーション アプリケーションに瞬時に切り替えられるようになります。
  • クラウド コラボレーション: バーチャルなチームと共同で作業をする際に同期型コラボレーションを可能にする手段です。
  • バーチャル コラボレーション: 多くの人がこの約 1 年半の間に何時間もビデオ会議ソリューションを使用してきた状況を踏まえると、このコラボレーションになじみ深い人も多いでしょう。バーチャル コラボレーションは、同期型と非同期型の両方の形態をもつコラボレーションで、クラウドやオンライン プラットフォーム、ソーシャル プラットフォームを介して行われます。

職場でのコラボレーション

現代社会において、生産的なコラボレーションは極めて重要です。実際、コラボレーションとイノベーションの関連性は数多くの研究で指摘されています。今や多くの人がリモートで働くようになり、あらゆる国やタイム ゾーンにチームが分散したことで、コラボレーションは新たな局面を迎えています。職場がどこであるかに関係なく、コラボレーションは、ビジネスにおける目標達成の成否を左右する決定的な要素といえます。仮に、それが鶏に関係するビジネスであっても同様です。そう、鶏です。 2015 年に TEDx Talk で発表された「コラボレーション力を養う: 保守的になるな! (Cultivating Collaboration: Don’t Be So Defensive!)」というスピーチで、法律学の元教授でありカリフォルニア州の首席行政法判事でもある Jim Tamm 氏が、鶏の産卵における習性を例に、コラボレーションに適していない環境がもたらす影響について説明しています。基本的に、最も多くの卵を産む鶏が優位な立場を確立している場合が多いのですが、それは他の鶏を威嚇したりいじめたりするからだといいます。そうした行為をすることで、他の鶏が産む卵の数を減らし、自分の優位性を保っているのです。しかし、養鶏所をより “コラボレーションに適した” 環境にできれば、全体的な卵の生産量はより増加します。 完全版の動画をご覧ください。

Tamm 氏が取り上げたのは、鶏をグリーン ゾーンとレッド ゾーンの 2 つのグループに分けて行った、パデュー大学に勤める遺伝学の教授による実験です。グリーン ゾーンに分類されたのは協調性がある鶏で、レッド ゾーンに分類されたのは攻撃的で “ボス気質” のある鶏です。1 年後、グリーン ゾーンにいる鶏の卵の生産率は 260% 向上しました。一方で、レッド ゾーンの鶏の多くは、同じゾーンにいる鶏との争いに敗れ、生き延びることすらできませんでした。最後に Tamm 氏は、守りの姿勢は恐怖に基づく反応であり、コラボレーション、ひいてはビジネス目標の達成をも妨げる可能性がある、と強調してスピーチを締めくくっています。 Webex の根幹には、常にコラボレーションがあります。コラボレーションは、私たちのビジネスそのものです。私たちは毎朝、お客様のチームをどのように支援すれば総合的なテクノロジー ソリューションの活用を促進できるかを考えていますし、円滑かつ効果的なコラボレーションを実現するために開発された、高度なハードウェアとソフトウェアも組み合わせて提供しています。 教育医療、農業、金融のどの業界においても、効果的なコラボレーションは成功への足掛かりとなります。私は、ニューヨーク州ニューバーグにある South Middle School で 6 年生の言語科目を担当している先生方に、コラボレーションの定義を聞いてみました。彼らの答えは以下のとおりです。 「教育において、コラボレーションとは自分をさらすことを意味します。つまり、生徒が 1 つの考え方だけでなく、さまざまな物事の見方、アイデア、疑問にさらされる機会なのです。物事をいろんな角度から見せることで、自立した発想や好奇心を育み、高い目標を掲げて取り組めるような教育環境を整えることができます」 このコラボレーションの定義も、コラボレーションによる成果です。先生方がグループ内でテキスト メッセージをやり取りして作成された定義なので、これも非同期型コラボレーションの一例です。では、職場でのコラボレーションについてはどうでしょうか。

なぜコラボレーションが重要なのか

先生方のよく考えられた定義で述べられているとおり、コラボレーションには多大なメリットがあります。適切にコラボレーションが行われれば、そのすべての関係者が新たなスキルや視点を得ることができます。また、より多くの人にその成果を届けられます。問題を解決できるのも、より迅速かつ創造的にアイデアのブレインストーミングを行えるのも、多様な発想を持つチームのおかげです。もちろん、職場での効果的なチーム コラボレーションは、仕事の満足度の向上や従業員の離職率の改善にもつながります。さらに、2014 年に発表されたスタンフォード大学の研究 によると、他の人との協働が個々のやる気を高めることも分かっています。 そうは言っても、他の人との協働を想像すると、学校で強制的に班を組まされ、グループ課題に取り組んだときの恐ろしい思い出がよみがえってくる人もいるでしょう。 グループ課題 現にコラボレーションが対人関係の問題や摩擦の原因となることも多いため、Google 社では 2016 年、効果的なチームとは何かを知るための調査を実施しています。コラボレーション疲れは実際に起きている現象なのです。この Google 社の調査は「全体は部分の総和に勝る」というアリストテレスの言葉にちなんで、プロジェクト アリストテレスと名付けられました。最終的にこのプロジェクトでは、効果的なチームにおける 5 つの原動力が明らかになりました。 それはどのような発見だったのでしょうか。そして、効果的なコラボレーションの秘訣とは?

コラボレーションを推進するには

効果的なチームにおける 5 つの原動力を重要度の高いものから並べると以下のようになります。
  1. 心理的安全性
  2. 相互信頼
  3. 構造と明確さ
  4. 仕事の意味
  5. インパクト
Google 社の調査以降も多数の組織の職場において同様の結果が得られており、リモート ワークが主流となった今では、特に心理的安全性の重要性が浮き彫りになっています。従業員が数字ではなく人として扱われるような、信頼性と安全性が確保される環境を整えることも重要ですが、さらに下記の取り組みもコラボレーションを推進するうえで有効です。
  1. コラボレーション スキルの育成を促進する
チームの原動力とは別に、チームでのコラボレーションに適していると評価される人は、変化を受け入れる力や情報を求めることに長けていると考えられています。コラボレーションのスキルやコミュニケーションの方法は数多くありますし、一度身に着けたスキルはチーム全体としての効果を高めるのに役立ちます。
  1. 協調的なマネジメント手法を採用する
チームを構成するメンバーや彼らが有するスキルだけでなく、チームを率いるリーダーも重要です。 協調的なリーダーを軽く見てはいけません。協調的なリーダーの場合、典型的な縦割り構造やトップダウン型ではなく、水平型のマネジメントを行っています。しかし、コラボレーションが活発なチームであっても、問題の特定や解決策の決定などの最終的な判断をリーダーに委ねている場合があります。このようなアプローチを取っているリーダーが目指しているのは、自身の有する専門的なスキルや知識をチーム メンバーと共有し、組織横断的な学びによる成長を促すことです。
  1. コラボレーション ツールをチームに導入する
オンラインでブレインストーミングを行う場合、音声が途切れるスピーカー フォンやダウンロードできないくらい容量の大きい資料ほど、生産性を下げるものはありません。しかし幸いにも、現在のデジタルファーストな社会では、古典的なホワイト ボードですら、オンライン上でメンバーの頭脳を掛け合わせようとしているチームに役立つデジタル ツールへと変化しています。コラボレーション ツールには、ノイズ キャンセリングやジェスチャーの自動認識などのさまざまな機能があり、ユーザーのコラボレーション環境の向上に貢献しています。 数週間前に私たちは、働く場所に関係なく利用できる、新しいコラボレーション デバイス ファミリーをリリースしました。こちらがその非常に優れたファミリーです。

Desk Mini の色

  1. 対面で話すようにオンライン会議に参加する
これはリモートワーク特有の取り組みです。私たちは、ビデオ通話疲れが現実にあることを認識しています。さらに、ミーティング中に子どものはしゃぐ声が急に聞こえるとびっくりすることも理解していますが、チームとオンラインで話すときには可能な限り参加した方がメリットがあります。ビデオをつけてミーティングをすることがチーム コラボレーションの強化につながる、ということが明らかになっているからです。 Bill Nye 自分がうまくコラボレーションできているかを知る方法 コラボレーションは、ただのはやり言葉ではありません。平等で住みやすい世界を実現する、命を救う薬やテクノロジーの開発を発展させられる手段なのです。コラボレーションとは、懐かしむに値するエンターテインメントを私たちに提供してくれるうえに、私たちが身を置く環境における文化や課題への向き合い方を形づくるものです。 しかし、自分がコラボレーション活動に貢献しているのか、あるいは妨げになっているのかを知るには、どうすればよいのでしょうか。 Dan Levy まず、以下について自問してみてください。
  1. 自分はチームの一員であると思っていますか。
  2. 問題を解決する意欲、そしてチームと理解を共有する意思を持っていますか。
  3. 意思決定をする前に他の人に相談しますか。
  4. 協議したり歩み寄ったりする意思はありますか。
  5. 自分のアイデアを共有し、他の人にもそうすることを期待しますか。
  6. 自分のアイデアを押し付けず、他の人のアイデアを受け入れられますか。
もしもすべての質問に対して心から “はい” と答えられたなら、あなたは優秀なコラボレーション パートナーとしての素質があります。もし “いいえ” と答えた質問が 1、2 個あったなら、個人的に改善の余地がある分野を自覚できる機会としてとらえてください。また、チーム メンバーの意見や考え方を理解することは、最終的にあなた自身の目標を達成するのに役立つということを覚えておいてください。これは、ごく基本的な考え方です。ロシア系アメリカ人の作家で思想家でもある Ayn Rand 氏は、「人が合理的な自己利益を追求する方法の 1 つは、他人と強固な関係を築くことである」と述べています。

コラボレーションの未来

効果的なチームは革新的な戦略やソリューションの原動力となります。人類が宇宙に行けたのはコラボレーションのおかげです。人の命を救うワクチンの開発は、あらゆる世代の優秀な人材が集結して協働した成果です。このブログ記事を読むのに使用しているデバイスもコラボレーションによって生まれたものですし、私たちが使うすべての製品がそれと同じように、グローバルなサプライ チェーンを構成する数々のコラボレーション活動を通じて作られているのです。 効果的なチームの構築は、間違いなくチーム内で取り組むべき課題ですが、効果的なチームを維持することも同じです。あらゆる業界やテクノロジーの進化が進むにつれ、私たちのコミュニケーションやコラボレーションの手段も進化します。 Webex では、2020 年以前のような働き方に戻ることはないと考えています。当社が行った調査によると、回答者の 57% が、オフィスに出社する日数は月あたり 10 日以下になると考えているといいます。また、回答者の 98% が、今後の会議にはリモートで参加するメンバーも出てくると考えています。ハイブリッド ワークは多くの人、企業、そして業界の未来であり、進化を続ける職場でのコラボレーションに対応するために、私たちは世界で最も優れたソリューションの開発に全力を注いでいます。 作家で社会運動家でもあったヘレン・ケラーは「1 人でできることは多くないが、皆一緒にやれば多くのことを成し遂げられる」という言葉を残しました。この言葉を灯に、共に未来の働き方を模索していきましょう。 その他の記事: ハイブリッド ワークの未来を支えるコラボレーション AI の新機能 ハイブリッドな働き方を実現する Webex Devices 魅力的な体験を提供する iPad 向けの新しい Webex アプリが登場  

About The Author

Caitlin Ultimo
Caitlin Ultimo Content Writer Cisco
Caitlin Ultimo is a content writer at Webex and has been an editor and digital content strategist for various brands and publications, including BazaarVoice, Chewy.com, L’Oréal Paris USA, Bonnier Corporation and Meredith Corporation.
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