カスタマー エクスペリエンスのトリレンマを解決するには

On By Jay Patel1 Min Read
Customer Experience Roadmap
解決策、共感力、関連性を重視したコミュニケーションが顧客ロイヤルティと収益力の向上につながる理由についてご説明します。 私たちは最近、2,000 人を超える消費者を対象に調査を行い、ブランドを通じて卓越したカスタマー エクスペリエンスを提供するのに必要な要素とは何かを把握しました。 最も重大な調査結果を早速お伝えしましょう。顧客ロイヤルティを獲得し、収益力を向上させるには、どのような顧客対応にも次の 3 つの要素が不可欠です。
  1. 解決策: 顧客が抱える問題を解決すると同時に、顧客が求める情報を使いやすい形で迅速に提供できる
  2. 共感力: 自社の顧客に、自社と有意義につながっていると感じてもらえる
  3. 関連性: 適切なエクスペリエンスを適切な顧客に適切なタイミングで提供できる
私たちはこの 3 つの要素を組み合わせて「カスタマー エクスペリエンスのトリレンマ」と呼んでいます。では、どうすれば、このトリレンマを解消して、すべての顧客対応とチャネルで優れたエクスペリエンスを提供できるでしょうか。その答えを見つけられるように、私たちは調査内容をまとめて包括的なレポートを作成しました。このレポートでは、調査結果を解説し、高まる顧客の期待により良く応える方法をアドバイスしています。

カスタマー エクスペリエンスには経営陣も注目すべき

優れたカスタマー エクスペリエンスは、あればいいというものではありません。繁栄を目指す企業にとっては、次のようにきわめて重要な意味を持ちます。
  • 75% の消費者: 優れたカスタマー サービスがリピーターとなる理由である。また、それが価格と同様に重要 (76%) であり、製品やサービスよりもはるかに重要 (57%) である
  • 61% の消費者: 今よりも優れたカスタマー サービスを受けられれば、製品やサービスをさらに購入しようと思う
  • 55% の消費者: サービス エクスペリエンスが卓越していれば、今のブランドからその企業に購入先を変更する
優れたカスタマー エクスペリエンス (CX) がブランド ロイヤルティを高めていくことは明らかですが、CX は収益と利益の拡大にも間違いなくつながります。 つまり、CX は、これまでのようにマーケティング、カスタマー サービス、運用チームだけで検討すべきものではないということです。これからは経営陣レベルでも CX について話し合い、CX トリレンマの解決に向けてビジネスのあらゆる点を調整する必要があります。 カスタマー エクスペリエンスの要素である関連性、共感力、解決策を示す三角形

1.解決策

CX トリレンマの最初の要素は解決策です。これは、顧客が抱える問題の迅速な解決、問い合わせへの回答、サービスや製品に関するプロアクティブな最新情報の提供などを意味します。 私たちの調査によると、問題を解決するうえで顧客にとってきわめて重要または非常に重要なのは、簡潔さ、一貫性、スピード、利便性の 4 点です。 優れたブランド エクスペリエンスを確立し、顧客との長期的な関係を築くには、これら 4 つを正しく理解することが不可欠です。調査での消費者からの回答は、迅速で一貫性と利便性のある解決策を提供することがいかに重要かを明確に示しています。
  • 75% の消費者: 問題があってもすぐに解決できればその企業の製品やサービスを今後も間違いなく利用する
  • 66% の消費者: すぐに対応してくれる企業に対しても上記と同様の行動をとる
  • 63% の消費者: 大きな問題がないようであればリピーターとなる

2. 共感力

顧客対応のデジタル化と応答時間の短縮で競争に勝ち抜くには、共感力と理解力を維持することが重要です。 実際、調査への回答者の多くが、共感力、誠実さ、文脈の理解力を欠くといった人間的な問題が摩擦を招き、顧客満足度を低下させる可能性があること認めています。さらに、消費者がブランドに抱く親密さに加え収益にもマイナスの影響を与えます。 たとえば、64% の消費者は、カスタマー エクスペリエンスの質が悪い場合、そのブランドの製品やサービスを今後購入しないと回答し、59% が友人や家族にそれについて話すつもりでいます。悪い評判が口コミで広がるのです。 エクスペリエンスの質を低下させないためには、顧客の事情を理解したうえで、共感関係を築く必要があります。では、どうすれば、顧客とブランドが直接やり取りすることの少ないデジタル対応で、共感をもって顧客に接することができるでしょうか。 その答えは、適切なタイミングで適切なチャネルの特定と展開を行い、担当チームが顧客を最適なチャネルにシームレスに移行できるようにすることです。たとえば、ライブ チャットは、簡単な問い合わせに即答できる便利なチャネルですが、複雑で感情的な問題を解決したい顧客にはストレスを与えてしまう場合があります。

3.関連性

CX トリレンマの 3 つ目の要素は関連性です。これは、適切なエクスペリエンスを適切な顧客に有意義な方法で提供することを意味します。 私たちの調査によると、CX で成果を得るには、パーソナライズした関連性のある顧客対応を行うことが非常に重要です。
  • 67% の消費者: 自分にとって意味のあるコミュニケーション (以前のやり取りや顧客の好みが認識されている) がきわめて重要または非常に重要である
  • 60% の消費者: パーソナライズされ、自分に合うように調整されたコミュニケーションを上記と同様に考える
多くの顧客がパーソナライズされたコミュニケーションを強く求めている一方で、良好なパーソナライズと引き替えに個人データを積極的に提供する顧客はほとんどいません。このような抵抗感の理由は、企業での個人データの処理方法が理解されていないことにあります。今回の調査によると、52% の消費者がデータの提供を通常選択していますが、データの使用方法には目を通していません。 これに対応するには、企業はデータ保護と個人データのセキュリティ確保について消費者を教育する必要があります。たとえば、データ プライバシーとデータ セキュリティを確保するために、ブランディング、認証プロセス、検証済みチェック マークなどを提供するチャネルを使用してもよいでしょう。

CX トリレンマの解決に備える

レポートの全文をぜひご覧ください。カスタマー ジャーニーを変革する方法や、3 つの基礎を築き効果的な CX を実現する方法をご紹介しています。また、Webex のカスタマー エクスペリエンス ソリューションのポートフォリオについてもご覧ください。 関連資料 顧客とのあらゆるやり取りに欠かせない CPaaS 優れたカスタマー エクスペリエンスの提供と地球の保護を同時に実現

About The Author

Jay Patel
Jay Patel SVP and GM Webex Customer Experience Solutions Cisco
Jay is the SVP and GM Webex Customer Experience Solutions and joined Cisco when imimobile was acquired in 2021.
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