シームレスな患者エクスペリエンスを推進する、Webex Contact Center と Epic の新たな統合を発表

On By Devinder Kathuria1 Min Read

シスコは Healthcare Information and Management Systems Society(HIMSS)2025 において、業界トップクラスを誇る Epic の電子医療記録(EHR)ソフトウェアを統合した Webex Contact Center のベータ版を近日中にリリースすることを発表しました。

Epic Toolbox プログラムによって開発された、この新しい最先端の統合により、コンタクトセンターのエージェントと医療機関は Epic System(Cheers/Hyperdrive)内で Webex のマルチチャネル コミュニケーション プラットフォームを使用できるようになります。つまり、Epic 内でネイティブの単一ユーザーインターフェイスを使用して、エージェントは患者、医療機関、介護士、医療関係者のすべてに関する必要な医療情報にアクセスできるようになります。これにより、あらゆる対話において、合理化され、高度にパーソナライズされた、共感に溢れたサポートを提供できます。

Epic とのこのコラボレーションは、プロアクティブなプロセス、AI Agent、人間のエージェントをシームレスに統合して患者エクスペリエンスを変革することを目指す、Webex Customer Experience ポートフォリオ戦略の一環です。この戦略では、インテリジェントな自動化と人間の専門知識を結び付けて、つながりのある医療プロセスを実現し、医療業界における患者ケアの効率、エンゲージメント、質の水準を新たなレベルに引き上げることを目的としています。

Webex Contact Center の Epic 統合の詳細

Epic Systems は、医療業務を合理化する電子医療記録(EHR)ソリューションを提供している大手医療ソフトウェア会社です。600,000 人を超える医師と数百万人の医療従事者の協力のもと、米国の人口の 60% に相当する 3 億 500 万人の患者の記録にアクセスしています。

Epic と Webex Contact Center の新たな統合は、Epic Cheers/Hyperdrive ユーザーインターフェイスに直接統合されたシームレスで機能豊富なコミュニケーション プラットフォームによってエージェントを支援するためのものです。

医療機関は、患者へのアクセスから診断、治療、回復に至るまで、医療プロセスでのあらゆるやり取りを合理化できます。エージェントは、各自が優先するチャネルを Epic 内で直接使用して効率的に会話できるため、ウィンドウやツールを切り替える必要がなくなり、患者一人ひとりに密接に対応できます。

エージェントは単一の直感的なインターフェイスを通して、Call Hub のスクリーンポップ、インスタントコール転送、迅速で一貫した対応を可能にする既製のテンプレート、コンテキスト認識型サービスを支える対話履歴をはじめ、Webex Contact Center の高度な機能のすべてをシームレスに利用できるようになります。

この統合により、エージェントは Epic インターフェイスを使って、AI を活用した Webex Contact Center の力も最大限に活用できます。注目すべき機能をいくつかご紹介しましょう。

  • ルーティングとキューの管理:患者中心のルーティング戦略では、過去のやり取りに基づいて、対応可能な最適なエージェントに患者を結び付けます。エージェントの対応可否とスキルセットが、患者の優先順位、価値観、ニーズと正確に照合されるためです。
  • シームレスなオムニチャネルによるやり取りへの対応:音声チャネル、電子メールチャネル、メッセージチャネル、チャットチャネルのすべてを単一のタスクペインでサポートします。
  • レポートとダッシュボード:過去のデータとリアルタイムのデータにアクセスできるため、患者、医療機関、介護士、医療関係者の間でのやり取りや、エージェントのアクティビティを簡単に分析して把握し、管理できます。

また、エージェントとスーパーバイザは、Webex Contact Center 向け AI Assistant を利用して、よりスマートかつ効率的にコンタクトセンターの業務を進めることができます。Webex Contact Center と Epic の統合は継続的に拡張されているため、一部の機能は後日利用可能になることにご注意ください。

  • AI Agent 転送時のコンテキスト要約:AI エージェントや IVR から人間のエージェントへの引き継ぎをスムーズにして、同じ内容を患者が繰り返し伝えるといった事態を防ぎます。
  • 通話切断時の要約:通話が切断された場合に内容をまとめて文書化します。これにより、以前のコンテキスト全体を把握しながら、通話を滞りなく再開できます。
  • 自動 CSAT スコアリング:運用データと文字起こしを活用して、音声対話のすべてを評価できるため、患者アンケートの回答率が低いという課題を効果的に克服できます。この機能は今後、エージェントのトレーニングやコーチングでも活用できるようになる予定です。
  • エージェントのウェルビーイング:過度の疲労の兆候をリアルタイムで自動的に把握します。また、休憩、スケジュール変更、チャネル全体のキャパシティ管理といった予防措置を自動で提案します。
  • トピックの分析:この分析機能は、過去のデータを活用して、エージェントが着信コールの理由を迅速に判断できるようにします。この機能による分析データは、トレーニング、FAQ、プロセスの更新といったプロアクティブな対策を取るのに役立ちます。
  • エージェント向けのリアルタイムの文字起こし:エージェントデスクトップ内で直接、会話の文字起こしをリアルタイムかつ継続的に更新して表示します。これにより、発話されたすべての言葉をリアルタイムで理解できるため、詳細を聞き逃したり誤解したりするリスクが軽減されます。エージェントは手書きでメモを取ることなく会話の内容を容易に追うことができるため、会話の内容をもれなく把握できます。

Webex Contact Center は最新の AI の進歩を活用してエージェントがよりスマートに対応できるようにすることで、エージェントが効率的に問題を解決して生産性を高められるよう支援し、エージェントの燃え尽き症候群を可能な限り防ぎます。AI を活用した、日常業務への対処やリアルタイムの支援の自動化により、エージェントは人間による高品質なサポート提供に注力できるようになります。

Webex Connect と Webex AI Agent によってエンゲージメントとセルフサービスをレベルアップ

医療機関が患者への関与とケアをさらにレベルアップさせるには、 Epic Connection Hub からアクセスできる Webex Connect を利用できます。

Webex Connect は実証済みのすぐに使えるユースケースとして、EHR データとリアルタイムのイベントを基にプロアクティブなコミュニケーションを自動化して医療機関を支援します。たとえば、患者のオンボーディング、毎年のオープンな登録、やり取りに関するアンケート、予約のリマインダ、慢性疾患の治療の通知、請求の通知、診断後のサポートといったユースケースを複数のチャネルで自動化できます。慎重にオーケストレートされたこれらのやり取りにより、患者が積極的に関与し、自分の治療計画に従って定期診察を受け続けられるようになるとともに、医療プロセス全体を通して支援されていると感じられます。さらに、これらのやり取りは、患者が優先するブランド名入りの充実したチャネルで行われるため、患者とのあらゆるコミュニケーションで信頼を確立して、ブランドの認知度を大幅に向上できます。

慎重にオーケストレートされたプロアクティブなコミュニケーションは、患者がセルフサービスに簡単にアクセスするためのエントリポイントとしても役立ちます。

Webex AI Agent は、患者がプロアクティブなコミュニケーションに応答し、年中無休 24 時間体制の医療にオンデマンドでアクセスすることを可能にします。病院、診療所、医療機関がインテリジェントなデジタルフロントドアを利用できるようにすることで、患者は必要な情報やサービスにセルフサービスで簡単にアクセスできます。AI Agent は 2 つのモードで動作します。非同期モードの AI Agent は、エージェント型 AI と大規模言語モデル(LLM)によって動的に対話しながらコンテキストを管理できます。一方、スクリプトモードの AI Agent は、自然言語理解(NLU)によってインテント(意図)を認識し、構造化されたワークフローに従います。

顧客の意図が予約時間の変更、症状の確認、予防的な健康に関するアドバイスの入手、処方箋の管理、または請求と支払いの対処のいずれであっても、Webex AI Agent は患者が優先するチャネルでスケーラブルなオンデマンドサポートを瞬時に提供します。複雑な問い合わせの場合や、患者が人間による支援を求めている場合、Webex AI Agent はコンテキストに応じてシームレスに人間のエージェントに引き継げるよう、患者と Webex AI Agent との間の会話の履歴を人間のエージェントに渡すため、患者が説明を繰り返すことなく、スムーズにやり取りを続けることができます。

シームレスな患者エクスペリエンス戦略について、 HIMSS 2025 でご説明します

シスコの Epic Systems とのコラボレーションにより、EHR プラットフォーム内の高度なコミュニケーションツールを統合することで、患者により大きな成果がもたらされ、十分につながりのある医療エクスペリエンスが実現されることが明らかになっています。Webex Customer Experience ポートフォリオには、医療における信頼、ロイヤルティ、効率性に対するシスコの包括的なアプローチが反映されています。

ネバダ州ラスベガスで開催される HIMSS 2025 において、シスコの展示ブースで Patient Experience Kiosk(ブース番号 1227)を体験できます。患者エクスペリエンスに向けた目標を実現できるよう、シスコがお客様を支援する詳しい方法をご確認ください。

About The Author

Devinder Kathuria Director of Product Management Cisco
Devinder Kathuria's has 20 + experience years building wide variety of software products in Enterprise Collaboration, were he has contributed to Enterprise Telephony, Enterprise Social Software, Conferencing and Team Messaging products.
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