技術は長い道のりを経て進化してきました。かつては一部の人だけが使っていた技術も、今では人々の手やポケット、財布の中に収まっています。情報を集め、考えを伝えるために欠かせないコミュニケーション技術を、車にも持ち込める時代なのです。そのおかげで、車内でお気に入りのプレイリストを聴き、目的地までのナビを利用できています。私たちの生活を大きく変えたその技術こそ、スマートフォンです。
ハイブリッドワークを語る上で、スマートフォンは不可欠な存在です。Webex としても、モバイル分野に注力し、Webex Go や Move to Mobile などの最新製品を送り出してきました。そして登場した注目の技術が Webex for Automobiles です。
Webex for Automobiles の製品そのものは新しいのですが、コンセプトは決して目新しくありません。コラボレーションの重要な一角として、Webex for Automobiles のビジョンが始まったのは、Ford Motor 社との提携にさかのぼります。提携の成果として、フォード車では、停車中に車内のディスプレイで Webex Meetings をネイティブに実行できるようになったのです。その後、Apple 社とのパートナーシップが発展した結果、Webex Meetings が Apple CarPlay にも統合されました。
そして今回、新たにメルセデス・ベンツ・グループも Webex for Automobiles に対応しました。今回のパートナーシップでは、まず手始めに、メルセデス・ベンツの新型車「E クラス」向けに最適化された、Webex のモバイルオフィス体験を提供します。
ハイブリッドワークの価値や、外出先でも働ける環境を実現したいというシスコのビジョンが、自動車業界でも認められていることは明らかです。シスコではクルマをオフィスの延長として捉え、「仕事とは、どこに行くかではなく、何をするかである」ということを強く意識しています。
今回のようなパートナーシップとモビリティを、ホーム・オフィス向けソリューションに組み合わせることで、他社にはない包括的なハイブリッドワークを実現しています。あらゆる場所や働き方に対して、シームレスな体験を提供できる企業は他にありません。私個人の話になりますが、今週の始めは自宅で勤務した後、サンノゼオフィス、自宅、そしてニューヨーク市にある PENN 1 オフィスと顧客先を巡り、自宅オフィスに戻ってくるなど、業務では出張を繰り返しています。お察しの通り、目まぐるしい忙しさですが、多くの読者の方々も同じような境遇にあることでしょう。
成功しているハイブリッドワーク環境では、技術的なことを心配することなく、重要な業務に集中して取り組めます。たとえば Webex では、一日の始めに Desk Pro を使っていても、Move to Mobile 機能があるため、ミーティングを中断することなくサンノゼオフィスに移動できます。ベイエリアは交通量が多いため、オフィスに着く前に別のミーティングの時間になることもあります。その場合は Apple CarPlay で次の Webex 会議に参加できます。サンノゼオフィスに到着したら、Board Pro を使うことで、予約済みの会議室からミーティングを続けることができます。どの段階でも、ノイズキャンセリングのような Webex 機能が、バックグラウンドで自動的に動作するため、技術的なことを心配することなくミーティングに集中できます。
私は Webex の SVP 兼 CMO ですが、エンドユーザーでもあります。こうした素晴らしい体験があらゆる場所に組み込まれ、働く場所や働き方を問わず利用できることを嬉しく思います。メルセデス・ベンツが Webex for Automobiles に対応したことも喜ばしいニュースですが、これはまだ始まりに過ぎません。新機能の提供やパートナーシップの拡大はこれからも続けていく予定です。今後のニュースに乞うご期待ください。
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