ハイブリッドこそ次世代のイベントモデル
働き方が進化していったのと同じように、イベント業界も長年にわたり劇的な変化が続いていました。 100 年に 1 度の歴史的なパンデミックが起こるかなり前の 2008 年(つまり金融危機の年)には、大規模イベントなどもう過去のものだという声が上がっていました。 つまりイベント業界では長らく変化が必要とされてきたのであり、コロナ禍は変化を促したに過ぎないのです。 コロナ禍では物理的に参加するという選択肢がなくなったので、バーチャル イベントへの移行を余儀なくされました。同時にエンドユーザー エクスペリエンスの必要な水準や、その向上方法についても再考が進みました。 バーチャル イベントは、イベントの開催方法や参加方法を根本的に変えています。 そして、この変化は皆にとってメリットだということが判明したのです。 イベント主催者にとっての利点はいくつかあります。たとえば、参加者を増やす費用はわずかです。個人レベルでの交流も濃厚になり、イベントのカスタマイズやリードの追跡も容易です。 同時に出席者にとっても利点があります。たとえば移動費を削減し、仕事や家族から離れている時間を短縮できます。マルチタスクにとっても有利で、異なるセッションの時間が重なってもライブとオンデマンドで双方に参加できるといった柔軟性があります。さらに、LinkedIn のようなソーシャル ネットワークを使った情報交換もできるでしょう。 バーチャル イベントの利点は、過去の大規模会議が大きすぎる、目立つのが難しい、コストパフォーマンスが低い、といった従来型イベントの欠点を浮き彫りにしています。 たとえばコストについて考えてみましょう。 大規模会議に参加するコストは一般に数十~数百万円です。CES に参加する場合、(会社が支払う)参加費や出展料、宿泊費、追加費用の合計は 2 千万円を超えるのです。 しかし未来の会議は参加者ごとにカスタマイズされた、参加費が低くて居心地がよく、多様な人が参加できる場であるべきです。 それを実現できるのがハイブリッド イベントです。高度なイベント プランニング、パーソナライズされた体験、継続的な交流を新技術で実現することで、バーチャルと対面のイベントを統合するのです。 実際に多くの調査では、ハイブリッド イベントへの大きな流れが予測されています。 Metrigy Research の調査では、イベント プランナーの 63% が今後 1 年間でハイブリッド イベントに移行する予定だと答えました。 シスコが Futurum Research と共同で行った別の調査では、出席者の 79% がイベントの参加方法を対面とバーチャルから柔軟に選べるのが好ましいと回答しました。 ハイブリッド イベントでは、対面イベントの「深い交流」とバーチャル イベントの「幅広さ」という特徴が組み合わされます。組織と参加者にとって、かつてないほどの選択肢と柔軟性が得られるでしょう。 イベントや会議がハイブリッド型への大きな移行期を迎えていることに疑いの余地はありません。しかし質と価値の高い体験を生み出すという点においては、マーケティングと ROI における従来の主な原則が今後も当てはまります。 ハイブリッド イベントを成功させるには、それに欠かせない 6 つの重要な戦略について考慮する必要があります。
戦略 0:成功のために投資する
ハイブリッド イベントの戦略を立てる前の最も重要な戦略は、マーケティング予算の用途です。たとえば転換期やポストコロナの世界における露出、エクスペリエンス、ROI の観点から最適なイベントを選ぶ必要があります。
戦略 1:イベントの前に期待を高める
イベント前のマーケティング エンゲージメントで妥協してはいけません。 十分に前もってイベントのプロモーションを始めましょう。 数か月前から期待を高めて登録を促すのです。
戦略 2:参加者にとって楽しく、簡単で、魅力的な登録プロセスを用意する
出席者が登録を楽しめるようにしましょう。たとえば関連コンテストでプロセスをゲーム化したり、セレブや有名な講演者とイベントで交流できる点を売り込んだりすることができます。 シンプルで一元化された、使いやすい登録プラットフォームを、対面参加とバーチャル参加のどちらにも用意します。これにより、チケットの種類、イベントの追跡、出席者の興味のような重要なデータを簡単に閲覧できるので、さらにパーソナライズされた体験を提供可能です。
戦略 3:有益でパーソナル、そして興味深いコンテンツを作成する
対面とバーチャルの出席者双方にとって、コンテンツには訴求力が欠かせません。特定グループを孤立させるような共同アクティビティを計画することは避けてください。 直接参加でもバーチャル参加でも、出席者が同じように参加できるようにします。 「1 つのイベントで、2 つの体験」ができる方法を考えるのです。
戦略 4:主催者ではなく、 出席者のことだけを考える
どこから、どのような方法で参加する場合でも、出席者がセッションを閲覧でき、オーディエンス間の交流に参加できるモバイルアプリと Web アプリを活用して、多様な人が参加できる Web 体験を提供します。 各出席者について複数のイベントで蓄積したデータを基に、セッション、講演者、スポンサー、オンデマンド ビデオなどを自動的にお勧めします。
戦略5:コミュニティを構築してリピート出席を促す
他の出席者の顔を見て話せることが重要です。インタラクティブで統合された環境を作ってください。 対面での参加者は直に交流できます。このメリットをバーチャル参加の出席者にも提供するため、ライブ投票や Q&A をセッションに取り入れます。 またバーチャル参加の出席者のためにオンライン コミュニティを作り、イベント後に交流が続くように後押ししましょう。
戦略 6:関係を深めるためのスタート地点としてイベントを活用する
イベント後は、イベント自体と同じく重要です。 イベント後も出席者を惹きつけ、関係を深めるために、出席者に何かを学んだと感じてもらう必要があります。 たとえば、今後のイベントでパーソナライズされた出席者ジャーニーを構築するために、バーチャルと直接参加のイベントでのふるまいや好みのデータを利用して、出席者との継続的なつながりを提供します。
イベント主催者と参加者にとっての新しいチャンス
コロナ禍によって対面イベントが大きく転換し、バーチャル イベントが急激に広まりました。 その結果、主催者と出席者の双方にとってエクスペリエンス、コンテンツ、エンゲージメントの面で新しいチャンスがあることが判明したのです。 将来的にはバーチャルと対面を組み合わせたハイブリッド イベントがメインになるでしょう。これは、過去にはできなかったことです。 ハイブリッド イベントにより、これまでイベントに未参加の出席者を幅広く惹きつけられます。 そうした参加者と関係を築いて強化できるよう、新しいテクノロジーを必ず活用しましょう。そうすることで長期的なリピート ファンも得られます。 ニューノーマル時代の到来とともに、ハイブリッド イベントのパラダイム シフトが進んでいます。 しかし、これは単なるアプローチの変化ではありません。コミュニティを構築し、関係を深め、人と体験を優先する新しいタイプのイベントを作るチャンスがある、という考え方の変化です。 今後のハイブリッド イベントの動向からは目が離せません。
Aruna Ravichandran 追伸。 次回のブログ記事「戦略 1:イベント前の楽しみづくり」にご期待ください! 関連リンク ハイブリッド勤務の早期実現に向けてお客様をサポート インクルーシブなハイブリッド勤務の新時代に対応する新ブランド Webex のパートナーシップと統合でハイブリッド勤務を推進