コネクテッド インテリジェンス:コラボレーションの未来

On By Amit Barave1 Min Read
働く環境に生じた変化

今日のほとんどのナレッジワーカーにとって、朝のルーティンはおそらく次のような感じです。ラップトップを開くと、複数のプラットフォームにまたがる未読メッセージが 47 件表示されます。カレンダーには会議が立て続けに表示されていますが、その半数は遅刻したり、完全に欠席したりしています。メールのやり取りの中に埋もれたアクション項目、自分が参加しなかった会議で下された決定があり、そしてその混沌とした状態のどこかに、ビジネスを前進させる重要な仕事があります。

これにグローバルなコラボレーションの複雑さが加わります。チームはタイムゾーンや言語によって分散しており、地域ごとに異なるセキュリティ要件があります。AI ツールの存在感が増しています。それらは有用であると約束しながら、実際には複雑さを増すだけであることが少なくありません。

企業のワーカーは一日中、数十ものアプリケーションを絶えず切り替えながら、コンテキストを探し、重要なことをつなぎ合わせようとしています。生産性を高めるはずだったツールに溺れかけています。圧倒されているだけで、力を与えられていません。

コネクテッド インテリジェンスの時代

解決策はより多くのツールではありません。よりスマートなインフラストラクチャです。組織は、断片化されたポイントソリューションから、人間、AI エージェント、そしてビジネスを推進するアプリケーションの間でインテリジェンスがシームレスに流れるプラットフォームへと移行しています。

シスコでは、これをコネクテッド インテリジェンスと呼んでいます。これは、人間から AI、そして再び人間へと続くやり取りの連続ループのことで、その中ではテクノロジーがコラボレーションを複雑にするのではなく、むしろ増強させます。

これは人間の判断に取って代わるものではありません。重要なのは、AI がバックグラウンドで機能するシステムを構築し、チームが圧倒されるのではなく、準備が整った状態で毎日を始められるようにすることです。そこには言葉の壁はありません。そこでは、セキュリティと主権がイノベーションを制約するのではなく、イノベーションを実現します。テクノロジーが目に見えなくなり、コラボレーションが自然で容易なものに感じられます。

これは、コネクテッド、エージェント型、セキュアという 3 つの柱に基づいています。これらの機能は共通の AI インフラストラクチャ、共通のセキュリティアーキテクチャ、共通の管理を共有しているため、複合的な価値を生み出します。それは、あるやり取りから得られるインテリジェンスが他のすべてのやり取りを強化し、システムが時間の経過とともにますます強力になることです。

コネクテッド:コンテキストをもたらす AI

月曜日の朝の始まりを想像してみてください。あなたが週末にオフラインにしている間、チームでは重要な 3つの会議が行われ、複数のスレッドで数十件のメッセージがやり取りされ、いくつかの重要な決定が下されました。従来であれば、最初の 2 時間は遅れを取り戻すのに費やしていたところです。その間に、文字起こしを読んだり、メッセージをスクロールしたり、何を見逃したのかを尋ねたりしていました。

Cisco AI Assistant for Webex を使えば、ほんの数分で遅れを取り戻すことができます。AI Assistant は、質問に答えるツールからインテリジェントなオーケストレータへと進化し、仕事の流れの中で重要な情報を適切なタイミングでプロアクティブに提示します。そして、AI Assistant は単独では機能しません。それは、自律的に「仕事に関する仕事」を処理する AI エージェントの協調システムによってサポートされています。

  • Notetaker(議事録)エージェント は、正式な会議が予定されていない場合でも、ルーム内での会話や即席の打ち合わせなど、あらゆる話し合いを記録します。
  • Polling(投票)エージェント は、チームが意思決定について議論していることを検知し、合意形成を測るための投票を自動的に提案します。
  • Scheduler (会議日程調整)エージェント は、スケジューリングの手掛かり(「来週フォローアップしよう」など)を聞き取り、全員のカレンダーを確認し、会話を中断せずに会議を予約します。
  • Task(作業)エージェント は、口頭での約束を追跡可能なアクション項目に変換し、それらを実行できます。たとえば、Jira チケットの作成、Salesforce レコードの更新、リマインダの送信などの作業です。
  • AI Receptionist(AI 受付担当者) は、いつでも利用可能なバーチャルアシスタントです。電話の応対、質問への回答、アポイントメントのスケジュール、コールの転送といった日常のタスクを自動化します。

これらのエージェントは命令を待ってはいません。検知し、提案し、実行します。つまり、あなたが重要なことに集中している間、バックグラウンドで動作しています。

しかし、どれほど多くのインテリジェンスがあったとしても、ソフトウェアだけでは乗り越えられない障壁が 1 つあります。それは言語です。

Translator Agent:翻訳時に人間らしさを保持

本日、シスコはこれまでで最も冒険ともいえるエージェントを発表します。それは Translator Agent で、7 月に提供される予定です。これはリアルタイムの音声翻訳であり、会話の中で最も重要な部分、つまりその人らしさを失わないようにします。その人の声、そのトーン、リズム、抑揚を保ちます。ロボットのようでも、平板でも、単調でもありません。

ロンドンのセールスエグゼクティブがマドリードのお客様と自然に英語で話すとき、お客様には彼女の声がスペイン語で聞こえます。その声には、彼女の熱意と確信がそのまま込められています。

提供開始時点では、エージェントは英語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、イタリア語、日本語、韓国語、中国語、ポルトガル語、スペイン語に対応し、今後さらに追加される予定です。

その影響を考えてみてください。ある国の医療提供者は、医療におけるニュアンスが保ちながら、別の国の患者と相談します。コンタクトセンターは、多言語対応スタッフを必要とせずに世界中のお客様に対応します。グローバルチームは、あたかも母国語を共有しているかのように連携します。

これは単なる翻訳ではありません。それは地球規模での真の人間的つながりです。

そして、このエージェントは Webex プラットフォームに組み込まれており、後付けではないため、Webex Calling、Webex Meetings、Webex Contact Center のすべてにおいてシームレスに機能します。1 つのプラットフォーム、1 つのアーキテクチャ、あらゆる場所で一貫したインテリジェンスなのです。

エージェント型:エコシステム全体でアクションを調整

コネクテッド インテリジェンスは、Webex を超えて、実際に業務が行われるシステムへと拡張されたときに力を発揮します。これがエージェント型自律性です。つまり、AI は命令を待ちません。代わりに、意図を検知し、システム全体でアクションを調整し、働く場所がどこであってもインテリジェンスを発揮します。それにより、コンテキストを切り替える必要性が減り、日常の繰り返し業務が削減されます。

この自律性が実際に機能している様子を想像してみてください。営業会議中、チームはお客様の問題について話し合っています。AI Assistant と Glean および Amazon Q インデックスとの統合により、会議中に AI Assistant に Jira チケットのステータスを問い合わせることができます。チケット情報は Webex 上ですぐに共有され、お客様の問題について瞬時に完全に把握できます。

同じ相互運用性がまもなく Webex Calling にも拡大されます。次回の通話のための準備パートナーとして利用できるようになります。Amazon Q インデックスや Glean が統合されているので、AI Assistant に過去の会話やエンタープライズ アプリケーションからコンテキストを表示するよう依頼できます。これは電話に出る前や通話中でも可能です。

営業電話が終了するときには、Task Agent がすでにコミットメントを検出して、詳細と期限を記載した Jira チケットを作成して Salesforce の案件を更新しています。これらの作業が PC を閉じる前に行われているのです。翌朝、エンジニアは通話記録から完全なコンテキストを含むチケットを受け取ります。お客様には、次の手順を確認するフォローアップメールが届きます。手動でのハンドオフは必要ありません。リマインダが送られるのではなく、必要なことはすべて終了しています。

Webex の AI Assistant と Microsoft Copilot の双方向統合により、今後数ヵ月でシームレスな統合が実現します。Webex のコンテンツ(会議録画、通話文字起こし、メッセージスレッド)は、Microsoft Copilot で検索可能になります。一方、Microsoft のコンテンツ(SharePoint ドキュメント、OneDrive ファイル、Teams の会話)は AI Assistant からアクセス可能になります。どちらの AI ツールにも、他方のプラットフォームのコンテンツについて尋ねれば、包括的な回答が得られます。

これは自律性と統合が連携して機能していることを示します。働く場所にインテリジェンスが存在します。テクノロジーは背景に溶け込み、コラボレーションは容易に感じられます。

セキュア:信頼を基盤とする

安全でなければ、これはすべて無意味です。より多くのエージェント、システム、ワークフローを接続するにつれて、攻撃対象領域は拡大します。そして、AI の時代において、脅威はかつてない速さで進化しています。ディープフェイク、合成音声、AI が生成するフィッシング攻撃など、コラボレーションをインテリジェントにするツールも武器化される可能性があります。

だからこそ、セキュリティは私たちが構築するあらゆるものの基盤なのです。後付けであってはなりません。Webex のセキュリティは防御するだけでなく、リアルタイムで学習し、適応し、進化します。シスコでは行動分析とコンテキストに応じたインテリジェンスを継続的に活用し、新たなリスクが発生するたびにこれに対抗しています。

そのため、次のいくつかの重要なセキュリティ強化を発表します。

エンドツーエンドの暗号化の強化

標準ベースの MLS(Messaging Layer Security)と S-frame 暗号化により、ゼロトラストアーキテクチャを強化しました。録音、チャット、ホワイトボード機能など、豊富なコラボレーションに必要なものすべてが、強化されたエンドツーエンド暗号化によってサポートされています。これにより、コラボレーション機能を損なうことなく、会話の非公開性、改ざん防止、監査可能性が確保されます。

Pindrop によるディープフェイク検出

AI が生成するコンテンツが高度化するにつれて、真正性が非常に重要になります。シスコは音声セキュリティ分野の業界リーダーである Pindrop と提携し、ディープフェイクや合成音声・動画をリアルタイムで検出しています。ビデオ会議であれ音声通話であれ、Pindrop を Webex と連携させれば、相手が本物の人間か AI によるなりすましかを判別できます。この機能は現在、Meetings で利用可能であり、7 月には Calling にも拡張される予定です。

耐量子暗号化

シスコでは今日の脅威に備え、ポスト量子暗号への投資を行っています。これにより、量子コンピューティングが進化しても、現在保護されているデータがこれからも保護されることを保証できます。

しかし、セキュリティはテクノロジーだけの問題ではありません。制御も重要な要素です。

主権のある世界のための柔軟な導入

世界中の組織は、デジタル インフラストラクチャを再評価しています。データ主権の要件が厳格化されています。規制の複雑さも増加しています。そして、デジタルレジリエンス、つまり接続が中断した場合でも重要なシステムを稼働させ続けることの必要性は、これまで以上に緊急を要する課題となっています。

基本的な質問があります。データはどこに存在するのでしょうか。誰がそのデータにアクセスできますか。ネットワークがダウンすると、どうなりますか。病院、政府機関、金融機関、重要インフラの運営者にとって、「すべてをクラウドに移行する」という答えは存在しません。それは現実的ではなく、多くの場合、許可されていません。

Webex Suite が真の導入の柔軟性を提供する理由はここにあります。つまり、クラウド、ハイブリッド、オンプレミス環境のすべてに対応し、いずれの環境でも一貫した AI 機能を提供します。

要求に応じてクラウドをWebex Calling の新たなイノベーション、グローバルな規模、そして 195 以上の市場99.999% の稼働率を保証する SLA により、シスコは限界に挑んでいます。

必要なときにオンプレミスでCisco Unified Communications Manager(UCM)では、3,000 万人以上のユーザーにサービスを提供しており、お客様の成功のために全力を尽くしています。UCM 15 では、ハイパーバイザーの柔軟性(Nutanix、VMware、または Cisco NFVIS)、連邦政府のセキュリティ証明書(FIPS 140-3、FedRAMP)、およびデータをクラウドに送信することなくローカルで動作する AI 機能を実現しました。

ハイブリッドも選択可能Webex Calling Hybrid を利用すれば、組織はオンプレミスで通話制御を維持しつつ、準備が整った時点でクラウドの革新技術(AI Receptionist、インテリジェント ルーティング、リアルタイム分析)を利用できます。俊敏性を犠牲にしないで主権を実現します。

必要に応じてエアギャップを適用Cisco AI POD は、Cisco Meeting Server(CMS)に AI を導入し、最も機密性の高い環境において、文字起こし、要約、インテリジェントなアシスタントを提供します。NVIDIA が加速し、Cisco が設計した AI POD は、エアギャップ環境の組織がクラウド依存ゼロかつ完全なデータ管理下で AI を利用できるようにします。

妥協のないデータ主権: 複雑な規制の枠組みに対応する組織にとって、欧州の GDPR であれ、重要なインフラストラクチャ向けの NIS2 であれ、あるいは業界固有のコンプライアンス要件であれ、柔軟性は譲ることのできない要素です。Webex Suite は、主権のある暗号化制御、データ保管場所、国内の専門知識を利用した現地サポートを提供し、ベンダーの制約ではなく、お客様のセキュリティ態勢に基づいて導入する能力を備えています。

データ主権への取り組みをさらに推進するため、Webex Suite のデータ保管場所を英国に拡大することを発表いたします。これにより、専用の Webex クラウドロケーション全体で、Meetings、Messaging、Calling、Slido、および AI Assistant に対して国内でのデータ処理およびストレージを提供します。この投資により、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの公共部門および企業のお客様は、厳格なコンプライアンス要件を満たしつつ、低遅延と強化されたデジタル主権を実現できます。

シスコのデータ主権へのアプローチは従来のモデルを逆転させます。つまり、データをクラウド上のインテリジェンスに強制的に移動させるのではなく、データが存在する場所へインテリジェンスを届けます。制御するのは自分自身です。

未来はシステムの連携動作にある

コラボレーションの基盤は電力や水道と同様、非常に重要なものとなっています。それは不可欠で、常に稼働し、正常時には目に見えず、故障時には壊滅的な影響をもたらします。

この変化を認識する組織には未来があります。そこでは、AI エージェントが単なる道具ではなく、人間のチームメイトとして共に働きます。そこには言葉の壁はありません。そこでは、セキュリティと主権がイノベーションを制約するのではなく、イノベーションを実現します。そこでは、テクノロジーが背景に溶け込み、人々は最も重要なこと、すなわち築き、創造し、癒し、教え、繋がるという人間の活動に集中することができます。

プラットフォームは機能を集約します。システムは時間の経過とともに高まる価値を生み出します。

Webex Suite はそのようなシステムです。あらゆる導入モデルにおいて、人、エージェント、ワークフローを安全に接続するインテリジェントなインフラストラクチャです。クラウド、ハイブリッド、オンプレミス、エアギャップ環境など、組織の状況に合わせて対応します。

1 つのシステムで、どんな環境にも対応、設計に組み込まれたセキュリティ対策。これが、未来の働き方のためのコネクテッド インテリジェンスです。

About The Author

Amit Barave
Amit Barave VP/GM, Webex Suite & AI, Collaboration Cisco
Amit Barave is Vice President and General Manager for Cisco's Webex Suite and AI, where he leads a multi-billion-dollar SaaS business delivering collaboration solutions to enterprises worldwide.
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