顧客第一を担うコンタクトセンターのエージェント

On By Jamie Romanin1 Min Read
Contact Center innovation in the age of the customer

コンタクトセンター産業は大きく変化しています。 あらゆるチャンネルに適応し、これまで以上に厳しくなっている顧客のニーズと要望に応えるためです。 この劇的な変化の中心的な起爆剤は、人工知能(AI)、クラウドテクノロジー、データ分析、自動化といった最新技術です。 こうした変化は私自身にも起きています。他州へ引っ越すことになり、生活が一変しようとしているからです。 しかし人間は常に進化しています。新しい事に適応し、習熟する力もあります。でも変わらないのは「1 人では生きられない」という点です。 その一例であるコールセンターには約 50 年の歴史があります。 昔のコールセンターは、1 つのタスクを 100 万回繰り返すという単純なものでした。 電話で大量の問い合わせを受信し、完全に機械化された返信を繰り返していたのです。 こうしたサービスはもちろん「顧客第一」とは相容れません。 1 つのタスクを 100 万回行うだけでは不十分なのです。 今日のコンタクトセンターでは逆に、100 万のことを一度に行う必要があります。顧客の対応能力に優れ、多チャンネルで対応できることが求められています。 このようにコンタクトセンターの世界は 50 年で著しく変化しました。今日の消費者がシームレスなカスタマーエクスペリエンスを期待していることを考えると、これは良い変化だと言えるでしょう。 顧客がまず期待することは、手軽さとスピード(問題の迅速な解決)、そして効率性です。

重要なのはパーソナライゼーション

顧客が求める体験をよく表しているのが Tesla や Uber です。つまり、両社のレベルの卓越したサービスと最先端のデジタル体験を利用できることを望んでいます。 両社のような企業は、カスタマーエクスペリエンスの標準を引き上げ、業界、ビジネスモデル、顧客の期待といった面で変化を牽引してきました。 幸いにもコンタクトセンターの分野では、そうした期待に応えられる環境が形成されています。AI、クラウドテクノロジー、データ分析、自動化といった最新技術が進化の原動力となり、市場が再形成されているからです。 今の顧客の期待に応えられる最新製品の一例が、クラウドネイティブの Webex Contact Center です。同製品はカスタマーサービスの 3 つの重要事項である(1)使いやすさ(2)手軽さ(3)感情面(顧客との深いつながり)に焦点を当てており、そのためのツールをエージェントに提供します。 コンタクトセンターを劇的に変化させているのは最新技術だけではありません。ハイブリッドな働き方の拡大もその一因です。 こうした背景を受けて、現在のカスタマーエクスペリエンス(CX)プラットフォームを再考する必要が生じています。アナリストによれば、大多数の企業が最新のクラウドサービスの採用を検討しています。 Frost Radar 社の予想によれば、世界のクラウドコンタクトセンター市場の収益は 2026 年までに 74 億米ドルに達します1。 さらに Ecosystm2 社による最新調査は、アジア太平洋地域の企業の推定 57% が、ミッションクリティカルなコンタクトセンター ソリューションをクラウドに移行する予定です。 さらには、顧客関係を維持・構築するうえでコンタクトセンターを「ゴールキーパー」として活用する流れも強まっています。

「ゴールキーパー」としてのコンタクトセンター

コンタクトセンターが消費者にとっての「最初」から「最後」の窓口、 つまり事業における「ゴールキーパー」となる姿を想像してみてください。 その背景にあるは現状の課題です。消費者がコンタクトセンターを通過した場合、その消費者を引き留める担当部者はありません。ビジネスの存続にとってカスタマーエクスペリエンスの重要性を考えると、これはまさに避けたい状況です。 そのため今日のコンタクトセンターは顧客の対話と保持の面で大きなプレッシャーにさらされています。簡単に言うと、それを担う他の部門がないからです。

最新技術によるカスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ

その意味で、顧客エンゲージメントの方法を拡大することが急務です。つまり電話や電子メール、SNS、チャットボット、セルフサービスにまたがる多チャンネルアプローチの採用です。 しかしコミュニケーションチャンネルは日に日に増えています。そのため、よりインテリジェントな対話方法と迅速性も求められます。 最新の Webex Contact Center は、顧客エンゲージメントを強化し、あらゆるタッチポイントへの対応を実現できるインテリジェントなプラットフォームです。 2020 年 12 月に米国で最初に提供開始されて以来、グローバルで提供地域を拡大しています。今月にはオーストラリアとニュージーランドでもリリースされました。 Webex Contact Center のミッションは、顧客によるビジネスへの問い合わせを、友人間のやり取りと同じくらい簡単にすることです。これはつまり、カスタマーエクスペリエンスをパーソナライズし、顧客関係を強化できる、有意義なカスタマーインタラクションを形成することだと言えます。 しかし従来のコンタクトセンターは、そうした理想とはおよそ無縁でした。 むしろ効率性とコストが重視される場だったのです。ほとんどの消費者はコンタクトセンターとのやり取りにおいて、友人間のような「深い感情的なつながり」を得ることなどありませんでした。 しかもカスタマーエクスペリエンスの質は大きく下がっています。企業側から問い合わせるような積極対応は期待できないうえに、待ち時間も延びているからです。 さらにはエージェントが変わるごとに本人確認を行い、部門ごとに関係を再確立する必要もあります。その結果得られた「解決策」が本当に問題を解決することは、ごくわずかです。 同時に、コミュニケーションチャンネルの統合による複雑化や、CX を低下させる統合管理の問題、チャンネルの一元管理ポイントの欠如、チャンネルやカスタマージャーニーの断片化、インバウンド/アウトバウンドの制御とスケーラビリティの欠如といった問題が業界を悩ませています。 しかし、時代は変わりつつあります。Webex Contact Center の最先端かつクラウドベースの CX ソリューションにより、コンタクトセンターにおける顧客管理を合理化できるからです。複雑さを解消できる各種のツールも提供されます。 今やコンタクトセンターの孤立化を避ける動きが業界で広がっています。結果的に、コンタクトセンターのソフトウェアだけでなく、部門間の連携を可能にするメッセージングソフトウェアやユニファイド コミュニケーション ソフトウェアも求められています。 Webex Contact Center はこうした最新動向も踏まえており、ユニファイド コミュニケーションやコンタクトセンターソリューションとの連携・統合が順次拡大しています。

次世代のカスタマーエクスペリエンスとは?

こうした多チャンネルのデジタル CX を実現する鍵とは何でしょうか? それは、フロントオフィスとバックオフィスが消費者のために連携することです。つまり「優れたサービスとエクスペリエンスを、求められる前に提供する」のです。 フロントエンドは従業員エクスペリエンス(EX)で、バックエンドはカスタマーエクスペリエンス(CX)です。クラウドプラットフォームを活用して両機能を統合することで相乗効果が生まれ、組織全体が顧客第一で動けるようになります。 その大きな利点は、顧客の背景情報をエージェントがすぐに確認できることです。履歴などについて顧客に問い合わせる必要がなくなり、最初から問題解決に集中できるのです。 プロセス全体でのデータの提供、すべてのタッチポイントにおける消費者のニーズの理解、全チャンネルにわたるワークフローの調整、デジタルによる自動化、仮想および AI 技術を駆使したコンタクトセンターの強化など、Webex Contact Center のメリットは他にも多くあります。これによりエージェントを「スーパーエージェント」に変革し、最高クラスの CX を提供できる環境を整備できるよう支援します。 最新技術を活用してビジネスの俊敏性を高める業界の風雲児、それが Webex Contact Center なのです。 コールセンターの 50 年の歴史を踏まえると、今は業界にとって胸が躍る時代だと言えます。平凡で一方通行の CX が終焉を迎え、従業員エクスペリエンスとカスタマー エクスペリエンスの両分野の製品が連携することで、コンテキストに応じたカスタマージャーニーを提供可能になったからです。

Webex がコンタクトセンターをどう変革し、カスタマーエクスペリエンスをどう向上させるかについて、こちらをご覧ください。

出典:

  1. Frost Radar™:「North American Enterprise Cloud Contact Center Market, 2021」(北米のエンタープライズクラウドコンタクトセンターの市場、Frost Radar 市場調査、2021 年)
  2. 「Transforming Customer Experience to Stay Relevant」Whitepaper, Ecosystm, 2020(「関連性を維持するためにカスタマーエクスペリエンスを変革する」ホワイトペーパー、Ecosystm 社、2020 年)

関連資料Embedding the Power of Data in Contact Centers to Create Super Agents [英語ブログ記事] The Changing Landscape of Enterprise Customer Experience, Expert Perspectives [ウェビナー録画、英語] Exceeding expectations with Webex customer experience solutions [英語ブログ記事] Cisco + IMImobile: Delivering the Future of Customer Experience, Together [英語ブログ記事] Webex Contact Center [英語サイト] Webex Contact Center [ウェビナー録画、英語]

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Jamie Romanin
Jamie Romanin Director, Webex Customer Experience Solutions Cisco
Jamie Romanin is an experienced SaaS and enterprise technology executive with over 25 years leading growth, transformation, and customer innovation across the Asia Pacific region.
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