旅行保険業界における「コンタクト センター」テクノロジーの再考

On By Jamie Romanin1 Min Read
Webex Contact Center Being Used In Travel Agency Feature
突然皆さんの会社に、何の心構えもなく、電話と膨大な要求が殺到している場面を想像してみてください。 世界的なコロナ禍の発生によって、まさにこのシナリオ通りのビジネス危機が現実として旅行保険業界を襲いました。迅速な支援をすぐに必要とする膨大な数の人々が、旅行の複雑な再手配を求める込み入った内容の電話をかけてきたのです。

顧客の期待が膨れあがる最悪の事態

しかし旅行保険業界は、大規模な医療および経済の危機に直面し、顧客の期待がかつてない規模に膨れあがるこの「最悪の事態」への準備が整っていませんでした。実際、この業界の多くのプロバイダーは、電話の 90% に対応するためのコール デフレクション テクノロジーを導入していませんでした。 さらに、CX 面でのこの失敗は、旅行業界や保険業界のいずれかのプロバイダー 1 社に限った問題ではありませんでした。一般的に、この業界の多くのプロバイダーは、依然として旧式の飛行機予約システム、レガシー プロセス、老朽化したインフラストラクチャを使用しています。多くのプロバイダーには、コロナ禍に見舞われたときでも、在宅勤務という選択肢さえありませんでした。 間違いなく、この大規模な「CX の大混乱」、つまりこのハイレベルの問題は、この後さらなる影響を受けた業界に大きな打撃を与えました。実際、旅行業界と旅行保険業界は、このコロナ禍によって最大の打撃を受けた業界の 1 つに挙げられます。未曾有の影響を被って業績が急激に落ち込んだため、楽観主義者でさえも恐れる事態となりました。 世界的なコロナ禍によって市場が不安定になり、不確実さが長引いていることで、この業界には混乱が生じているようです。世界的に移動が禁止されたことや、移動制限の継続、繰り返されるロックダウンが原因です。 実際、旅行業界の統計は驚くべき数字になっています。オーストラリア政府観光局によると、2020 年 10 月までの 1 年間の海外からの訪問者数は、対 2019 年比で 60.7% 減少しています。

トンネルの向こうに見え始めた光

2021 年になると、この統計はさらに悪化しました。オーストラリア政府のインフラ・運輸・地方開発・通信省によると、2021 年 9 月の旅客輸送数は、2019 年 9 月に記録された 350 万から 98.8% 減少しました。 この統計には憂鬱になりますが、制限は少しずつ解除されつつあり、トンネルの向こうに光が見え始めています。成功への入り口と、旅行保険業界のカスタマー エクスペリエンスの「再活性化」に向けた道です。 では、旅行保険業者はどのようにして過去の CX の失敗を繰り返さずに、今後に向けて万全の準備を整えているのでしょうか?簡単に言うと、プロバイダーの多くは、クラウドから優れたカスタマー エクスペリエンスを提供するために、コラボレーションおよびコネクテッド テクノロジーのパワーに目を向け始めているのです。

新しい CX の未来に向けて Cover-More 社が方向転換

Cover-More 社 (Zurich Insurance Group の一部) を例に挙げると、同社はコロナ禍での経験全体を顧みて、カスタマー エクスペリエンス重視への戦略変更を決定しました。そしてグローバルなカスタマー サービス ネットワーク全体に Webex Contact Center を導入したことが功を奏し、すでに対前年比の運用コストの 30% 削減を実現しています。 Group CEO の Cara Morton 氏によると、コロナ禍に見舞われた際の同社の最優先事項は、旅行者を家に帰すことでした。「その後私たちはすぐさま未来に目を向けました。一層基盤を強化して旅行業界に戻ってくるには何が必要なのかを考え、まずお客様のことを考えることから始めました」と Morton 氏は述べています。 誰もが CX を念頭に置いている今日、Webex のエクスペリエンスで重視しているのは、オムニチャネル エクスペリエンスの提供と、デジタル チャネルのオーケストレーションです。Cover-More 社でインフラストラクチャおよびクラウド担当のグローバル マネージャーを務める James Hill 氏によると、同社は「既成概念にとらわれずに物事を考える」必要がありました。 現実を見つめましょう。今日の顧客が求めているのは、電話をかけて話す機能だけではありません。顧客はデジタル オプションを必要としています。したがって企業は、顧客にコミュニケーション機能として「世代ごとの設定機能」を提供する必要があります。また、モバイルを介したセルフサービス機能やデジタル オートメーション機能も提供しなければなりません。 「お客様はオムニチャネル エクスペリエンスを必要としています。また企業に対しては、お客様の希望に合わせたエンゲージメントを求めています。お客様は、当社にメールを送りたいこともあるでしょうし、SMS、チャット、Facebook を使用したいこともあるでしょう。Webex によって私たちは、お客様へのサービスを向上させる方法をビジネス部門と話し合うことができるようになりました」と Hill 氏は述べています。 さらに、Webex は直観的に利用でき、グローバル レポートやデータ分析をリアルタイムで提供します。「以前はメトリックを事前に入手できませんでした。Webex のおかげで、お客様がどこから来たのかという情報や、より良いサービスの提供方法など、かつては確認できなかったデータを確認できるようになりました」 詳細については、次のビデオをご覧ください。

共感とパーソナライゼーション

しかし、重要なのは顧客に耳を傾けることだけではありません。強化されたインテリジェンスとデータのパワーを活用して、顧客に共感し、カスタマー エクスペリエンスをパーソナライズすることも重要です。 この流れで言うと、企業は顧客が今いる場所で顧客とミーティングし、顧客が望むつながり方で応答やコミュニケーションを行い、顧客の現在の状況を理解する必要があります。 確かに、最新のコンタクト センター テクノロジーは、オムニチャネルのリアリティを提供することで状況を一変させています。いまだサイロ化したアプローチに依存し、認証のために顧客に何度もリクエストを依頼するといった、カスタマー エクスペリエンスの断片化を解消するのに役立っています。 では、企業はどうすれば良いのでしょうか?その鍵はデータの活用とサイロの排除です。またエクスペリエンスを改善し、明るい雰囲気を生み出すために、コンタクト センターのエージェントに単一の画面で分かりやすく顧客の旅行に関する情報を提供し、「最初のコールでの解決」を目指します。 旅行が非常に個人的かつ情緒的なものであることは間違いありません。ですからコンタクト センター テクノロジーは、顧客に共感し、顧客の旅行について理解し、(複数のチャネルでのメッセージを統合することで) 顧客のニーズを予測し、深いつながりを築くのに役立つものでなければなりません。 コロナ禍で得られた教訓があるとすれば、それは人々が仕事でもプライベートでもつながりを求めていること、そしてより強いつながりと最適なパフォーマンスを得るためには、コラボレーション テクノロジーの助けが必要であるいうことです。
Webex の詳細については、こちらをクリックしてご確認ください。
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Jamie Romanin
Jamie Romanin Director, Webex Customer Experience Solutions Cisco
Jamie Romanin is an experienced SaaS and enterprise technology executive with over 25 years leading growth, transformation, and customer innovation across the Asia Pacific region.
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