Webex AI Agent の一般提供(英語版)を発表:CX の新たな時代に向けた準備

On By Jay Patel1 Min Read

現在の市場において強力な顧客関係の構築を促進するには、一貫性のある卓越したカスタマーエクスペリエンス(CX)を創出して提供することが非常に重要ですが、多くの組織は厳しくなり続ける顧客からの要求に対応するのに四苦八苦しています。多くの人が体験していると思いますが、人間の担当者に問い合わせるオプションもなく、カスタマーサービスで問題の解決に行き詰まったときは苛立つものです。従来の柔軟性に欠けたチャットボットでは、顧客に対応しきれないことは珍しくありません。何度もコールを転送されて、そのたびに顧客が説明を繰り返すはめになります。これでは時間の無駄です。

データによると、顧客はセルフサービスに対してより多くのことを期待しています。変化しつつある顧客の期待に関して最近行われた調査では、顧客の 59% が現在のセルフサービスボットでは不十分だと考えています。その一方で、効率的でパーソナライズされた自然なやり取りができるとしたら、ボットによるセルフサービスを進んで利用すると回答した顧客は 94% にも上ります。

2025 年 3 月 31 日より、Webex AI Agent (英語版)が一般提供(GA)開始となりました。現在 CX を阻害している課題に対処するには、このソリューションが不可欠となるはずです。

まったく新しい Webex AI Agent のご紹介

Webex が CX に伴う課題の解決策として掲げている Webex AI Agent は、幅広いチャネルで問い合わせに応答し、顧客の目的(インテント)を理解して、しかもパーソナライズされた自然なやり取りで対応できるインテリジェントなソリューションです。

想像してみてください。リクエストを真に理解して簡単に解決してくれる実在の担当者と話すときと同じように、デジタルや音声でのやり取りが自然で直観的なエンゲージメントになるのです。Webex AI Agent を基盤に構築された自律型 AI エージェントは、LLM と生成 AI を使用して顧客からのメッセージのインテントを理解して即時に判断し、顧客の問い合わせを解決するための適切なアクションをリアルタイムで実行します。

会話の途中で顧客の優先事項が変わった場合、Webex AI Agent はその変化に応じてシームレスに適応できます。しかも、トピックが変わったとしても問題の詳細を記憶しているので、顧客が説明を繰り返す必要はありません。

さらに、Webex AI Agent は業務の合理化にも役立ちます。年中無休 24 時間体制でサービスを提供する Webex AI Agent によって、コンタクトセンターのエージェントが対応する問い合わせの量が減るためです。負担が減った分、エージェントは顧客からの複雑なリクエストに対応するために、価値ある時間をより多く費やせるようになります。また、エージェントの割り振りを効率化できるため、仕事に対する不満や高い離職率につながる、エージェントのストレスが減ります。

AI エージェントを直感的に設計

ほとんどのセルフサービス ソリューションは構築するのも展開するのも困難です。一方、Webex AI Agent Studio というユーザーフレンドリーなローコード/ノーコードの設計ツールを使用すれば、ビジネスユーザーでも音声またはデジタルによるセルフサービスワークフローを作成して管理できます。ビジネスユーザーと IT プロフェッショナルの両者が、人間のエージェントと連携して特定の日常的または頻繁なユースケースに対応する AI エージェントを開発できます。

Webex AI Agent は、CRM、ERP、HR プラットフォームなどの重要なビジネスアプリケーションに簡単に統合できます。既存のビジネスワークフローとバックエンドシステムに接続するだけで、予約のスケジュール変更からフライトの予約までのあらゆるリクエストに Webex AI Agent ですぐに対応できるようになります。

さらに、既存のナレッジベース、アップロードしたファイル、あるいは Studio で直接作成したファイルを柔軟に使用して、Webex AI Agent をインスタント ビジネス エキスパートにすることができます。

ビジネスニーズに応じたモードを選択

Webex AI Agent は、スクリプト化されたエクスペリエンスとして構築することも、自律型エクスペリエンスとして構築することもできます。

自律型 AI エージェントの場合は、大規模言語モデル(LLM)を使用して、会話型のパーソナライズされた自然な応答を返します。これらの AI エージェントは、大々的な手動トレーニングを行わなくても、幅広い問い合わせに応答し、会話のコンテキストを失わずにシームレスにトピック間を遷移するように簡単に設定できます。

また、完全に自律的なジェネレーティブAIを導入する準備が整っていない場合、スクリプト化された体験をデザインする柔軟性もある。スクリプトは、高度に制御された、決定論的で一貫性のある応答を提供する。

どのように活用できるか、可能性は無限大です

Webex AI Agent は、あらゆる業界での幅広いケースに活用できるため、企業にとって、どこから始めるべきか判断するのは難しいかもしれません。

重要なのは、AI エージェントが既存のカスタマージャーニーに自然に溶け込んで、現在の CX インフラストラクチャ内で使われている融通の利かないツールに置き換わることです。カスタマーサービスの場合、これは、既存の IVR システムを AI エージェントに置き換えて顧客からの日常的なリクエストに対応させ、こうした問い合わせをコンタクトセンターからリダイレクトさせることを意味するでしょう。

あらゆる業種において適切な活用事例があるとは言え、Webex の多くのお客様は、最初はカスタマーサービス、セールス、HR、IT の各部門で効率化を目的に Webex AI Agent を利用して、その機能をテストしています。

強力なメリットと迅速な ROI

Webex AI Agent は、次のような絶大なメリットと迅速な ROI をもたらします。

  • 顧客満足度の向上:年中無休 24 時間体制の直感的かつ自然な対応、シームレスなセルフサービス エクスペリエンスを提供するため、全体的な顧客満足度が向上します。
  • 初回問い合わせでの解決率の改善:複雑な問い合わせでも、ナレッジベース、ビジネスシステム、バックオフィスのワークフローに接続して、初回の問い合わせを解決へと的確につなげます。
  • 費用対効果:自動化されたセルフサービスでの対応範囲を拡大することで、人件費が高い電話や E メールなどのチャネルに伴うサービスコストが削減されます。
  • エージェントの燃え尽き症候群の低減:コンタクトセンターのエージェントにかかる負担を軽減するために自動的に顧客を他のリソースにルーティングすれば、離職につながるエージェントの燃え尽き症候群を防ぐのに役立ちます。
  • 待ち時間の短縮:インテリジェントな自動化とリアルタイムの直感的なエンゲージメントとの組み合わせで、迅速に応答して待ち時間を短縮できます。これにより、放棄率が減少し、顧客離れも削減されます。
  • 運用効率の向上:迅速に開発できて、スケーラブルな展開がサポートされるため、運用効率の向上、価値創出までの時間の短縮が促進されます。

企業がエクスペリエンスセンターへの進化を受け入れるには、AI を活用することが必須です

顧客の期待の高まりに対応するために、CX の状況は急速に進化しています。CX の進化に合わせて、CX インフラストラクチャも進化させなければ、企業は顧客満足度を維持できません。この進化に不可欠な要素となるのは、カスタマーサービスで AI を活用することです。

技術的な前進とは裏腹に、従来のコンタクトセンターは今でも主に事後対応的なツールを使用して顧客の問い合わせに対応しています。多くのコンタクトセンターでは引き続き時代遅れのバックエンドシステムと、それぞれに孤立したデータサイロに依存しているため、直観的で、複数のチャネル間でのつながりを感じさせるエクスペリエンスを提供するのが困難になっています。

高まり続ける顧客の期待に応えるためには、コンタクトセンターをカスタマー エクスペリエンス センターに進化させて、あらゆるやり取りを顧客のニーズに対処する機会にする必要があります。

シスコのお客様に CX ソリューションを提供してきた長年の経験を基に、Webex では従来のコンタクトセンターをエクスペリエンスセンターに進化させるために必須となる、次の要素を特定しました。

  • 顧客のニーズを予測する:自動化された関連性の高いコミュニケーションで、プロアクティブに顧客に働き掛けます。
  • 年中無休 24 時間体制のいつでも利用可能なサービスを構築する:AI との自然で魅力的なやり取りにより、顧客が必要とするときに随時サポートを提供できるようにします。
  • インテントへの対応を自動化する:必須のバックエンドシステムに CX ツールを接続して、インテントを理解した自動対応によって顧客リクエストをその場で解決し、エスカレーションを防ぎます。
  • AI でワークフォースを強化する:AI を活用したツールで、顧客に対応する従業員やリーダーを支援し、新しいレベルの効率性を可能にします。
  • 分析をアクションにつなげる:強力なアナリティクスを活用して顧客ニーズを把握し、プロアクティブな対応を実現します。

一部の組織では以上の要素をすでに 1 つか 2 つ採り入れていますが、Webex の経験からすると、最も効果があるのは包括的なアプローチです。つまり、すべての要素を統合して、よく考えられた効果的かつ人間的なやり取りを作り上げると、大きな成果が生まれます。

次のステップ

AI を活用したソリューションを適切に利用すれば、ストレスのたまるエクスペリエンスをポジティブなものに変えることができます。Webex AI Agent の目的は、満足度を高めると同時にコンタクトセンターのパフォーマンスを向上させる、パーソナライズされたシームレスで効率的なセルフサービスを提供してカスタマーエクスペリエンスを変革することです。

戦略的に実装された AI ソリューションは、瞬く間にコストを削減し、生産性と効率性の向上を推進します。場合によっては、わずか数か月で投資収益率(ROI)を達成することも可能です。

自社のカスタマーエクスペリエンスの変革に取り組む用意ができたら、詳細についてこちらのフォームでお問い合わせください。また、ライブデモで Webex AI Agent の動作を確認することもできます。

関連情報

About The Author

Jay Patel
Jay Patel SVP and GM Webex Customer Experience Solutions Cisco
Jay is the SVP and GM Webex Customer Experience Solutions and joined Cisco when imimobile was acquired in 2021.
Learn more

Topics


More like this