AI の時代を迎え、コンタクトセンターは大きく生まれ変わろうとしています。この変革をうまく進めている組織は、優れた顧客体験を実現するためには、孤立したタッチポイントの連続ではなく、インテリジェンスによって調和的に運営される仕組みが必要であることを理解しています。シスコはこのビジョンの実現に向けて開発を進めてきました。コンタクトセンターを、シスコのフルスタック、エンタープライズ向けセキュリティ、AI を融合した相互運用可能なプラットフォーム上に構築される、継続的で状況を理解する顧客ジャーニーへと再定義し、組織が確信を持って成長できる基盤を提供しています。
しかし、組織はそれぞれ異なる段階にあることを認識しています。実証運用を進める企業もあれば、スケールを進める企業、基盤整備に注力している企業もあります。Cisco Live で発表した内容は、こうしたすべての組織に対応するものです。エージェントワークフォースを促進し、顧客体験を向上させ、優れた運用成果とより良い顧客成果をもたらすための実践的なイノベーションです。
基盤から作り上げた AI Workforce Engagement Management (AI WEM)

AI は、旧来のシステムに単に付け加えられただけでは、本来の能力を十分に発揮できません。シスコが開発してきたものは、まったく別の発想に基づいています。AI を単にコンタクトセンターへ導入するのではなく、AI を中心にコンタクトセンターを作り直しています。オーケストレーションやコンテキスト、相互運用性を後付けで追加するのではなく、これらの要素が基盤インフラとして組み込まれています。
その姿勢が特に顕著に現れているのが、ワークフォース エンゲージメントへのアプローチです。人間と AI のエージェントが共存するワークフォースを管理することは新たな運用上の課題であり、多くの WEM ツールにはその課題が考慮されていません。こうしたツールは、すべてのエージェントが人間であり、評価がすべて手作業で行われ、わずかなサンプルコールを基に研修を進めるような時代のために設計されたものです。そうした運用モデルは、現在では成り立たなくなっています。
Webex AI WEM は、人間と AI が協働するワークフォース向けに基盤から構築されています。これは後付け機能もサードパーティ インテグレーションも不要な完全にネイティブ設計の包括的なスイートであり、需要予測やスケジューリングから品質管理、パフォーマンスダッシュボード、リアルタイムのエージェントガイダンス、AI を活用した新人研修まで対応します。すべての機能が人間および AI エージェントの双方で機能するため、スーパーバイザーや運用担当者、管理者、リーダーは常に完全な可視性を得られます。
本スイートには次の機能が含まれています。
- ワークフォースマネジメント:人間と AI の両エージェントに対応する専用設計の予測機能、スケジュール機能、運用管理機能を備えています。単一のコントロールプレーンを通じて、インタラクション量の予測、AI デフレクションのシミュレーション、シフトアサインの自動化、リアルタイムでの SLA リスク管理を行えます。(2026 年第 3 四半期に限定的に提供予定)
- 品質管理:人間と AI の両エージェントにおける全インタラクションを自動的に評価し、一貫性と客観性のある評価結果をほぼリアルタイムで提供します。あらゆる音声チャネルとデジタルチャネルを対象に、個別最適化されたコーチング提案、センチメント分析、インタラクション分析結果を提示します。(人間エージェント向け QM は現在提供中。AI エージェント向け QM は 2026 年第 3 四半期に一般提供予定)
- パフォーマンス管理:エージェントとスーパーバイザーが、個人のパフォーマンス指標とチーム全体のベンチマークを同じ画面で確認できる可視化機能を提供します(2026 年第 4 四半期に一般提供予定)。リアルタイムでの負荷監視によって促されるウェルビーイング支援と、チームの意欲や参加意識を高めるゲーミフィケーション機能を備えています(現在提供中)。
- AI を活用した支援:顧客対応中のエージェントへコンテキストに基づくその場の支援を提供し、より迅速かつ一貫性のある問題解決を支援します。スーパーバイザー、アナリスト、QM 責任者は、傾向を調査し、質問を行い、問題が拡大する前に的確なアクション提案を受け取ることができます(現在提供中)。
- 支援型オンボーディング:Webex AI Training Agent により、新規採用者は実際のコールを担当する前に、対応が難しい顧客像を含むリアルで変化に富んだ演習シナリオで訓練を受けることができます。リアルタイムの評価とフィードバックによって、エージェントの習熟を加速し、即戦力として対応できる状態へ導きます(2026 年第 4 四半期に一般提供予定)。
AI Concierge:顧客ごとに最適化された、途切れのない一貫した会話体験を提供

AI Concierge for CX(カスタマーエクスペリエンス)は事前設定済みの拡張可能な AI エージェントであり、ブランドのフロントドアとして機能します。ナレッジベースや他の AI エージェント、企業システムを横断してオーケストレーションし、顧客一人ひとりに最適化された自然な対話体験を実現します。高度な音声機能、深いコンテキスト理解、人間と AI のインタラクション全体にわたる持続的な AI メモリ、さらにマルチエージェント オーケストレーションを搭載しています。そのため、顧客がどのようにアクセスし、何度担当が切り替わったとしても、常に一続きの会話として体験できます。
企業は AI Agent Studio 上で、自社のナレッジベースやアクション、ワークフローを設定できるため、独自のカスタマーエクスペリエンスをゼロから開発する必要がありません。
AI Agents for Collaboration: 1 つの場所でエージェントを開発、運用、展開
Webex は AI Agent Studio を中心に、包括的で安全性の高い AI Agent プラットフォームを Collaboration ポートフォリオ全体へ拡張し、企業エンゲージメントの在り方を刷新しています。企業は、あらかじめ設定されたセルフサービス ワークフローから、コラボレーションおよびサードパーティチャネルにまたがる高度なカスタムエージェントまでを、一元的に構築できるようになりました。社内利用から顧客向け利用まで、音声・デジタル対応のマルチモーダル AI エージェントを開発、導入、運用できることで、IT 担当者や管理者は全 AI エージェントの統一性を確保できます。

AI Agent 360: シスコが支えるセキュリティとパフォーマンス追跡
AI エージェントの開発は重要ですが、それだけでは十分ではありません。実環境でどのように機能しているかを把握し、顧客より先に問題を発見することの方が、はるかに難しい課題です。自律性だけがあり責任が伴わなければ、それはリスクそのものです。AI エージェントの役割がより重大になるにつれ、問われるのは、単に能力があるかどうかだけではありません。期待どおりに行動しているか、また不正な操作や悪用から守られているかが問われます。だからこそ、実運用環境における可視性と先回りした保護対策は欠かせない要件となります。

AI Agent 360 は、その課題に正面から向き合います。AI エージェントのライフサイクル全体にわたり、シスコのオブザーバビリティ、セキュリティ、AI 管理機能を単一のコントロールプレーンに統合します。AI インフラ全体にわたってシスコが実現するエンタープライズレベルの AI セキュリティとオブザーバビリティを活用しながら、AI エージェントの開発、検証、監視、最適化をリアルタイムで行えます。AI アプリケーションは、オブザーバビリティとセキュリティの包括的な機能群があらかじめ組み込まれていなければ十分に機能しません。後付けではなく、最初の展開時から備わっていることが重要です。

市場展開を加速:Webex Contact Center がインドで一般提供開始

2026 年 4 月に、ムンバイに設置された専用データセンターを基盤とする Webex Contact Center のインドでの一般提供開始を発表しましたが、その重要性について少し触れたいと思います。
インドは、世界有数の重要性と成熟度を持つコンタクトセンター市場です。現地で活動する企業は、規模の大きさ、規制対応の複雑さ、顧客からの高い期待という厳しい条件を同時に満たさなければなりません。ムンバイの現地インフラで Webex Contact Center を提供することにより、インド企業やグローバル企業は、インドの規制要件に対応したセキュリティ環境のもとで、AI ネイティブ プラットフォームの全機能を活用できます。
今回の発表は、インドにおける Webex Calling の実績を土台としており、社内チームと顧客対応エージェントの間のサイロ化を解消する統合エコシステムを形成することで、この重要市場における当社の包括的な価値提案を強化します。
クラウドだけでは終わらないイノベーション:オンプレミス型 Cisco Contact Center の最新情報
シスコは、お客様の環境や要件に合わせて、最適な柔軟性と選択の自由を提供することが重要だと考えています。オンプレミス型コンタクトセンターをご利用のお客様にとっても、AI イノベーションの進化は目覚ましく、その勢いを確実に届けられるよう取り組んできました。
Webex AI Agent は現在、オンプレミス型コンタクトセンター向けに一般提供されており、Contact Center Enterprise (CCE) 環境を利用するお客様にも同様の高度な対話型 AI 機能を提供します。
また、Universal Harness for On-Premises も発表しました。API、SDK、認証を統合する単一のオンプレミス統合レイヤによって AI オーケストレーションを簡素化し、チームがインフラ運用ではなくイノベーションにより注力できるようにします。この機能により、企業はサードパーティ製 AI モデルをローカル環境でホストおよび統合できるため、厳格なデータ主権やコンプライアンス要件を持つ組織でも、管理性を損なうことなく独自の AI を活用できます。最新リリースであるリリース 15 では、オンプレミスのお客様向けに AI Assistant をはじめとする包括的な AI 機能を提供し、過去の環境向けに設計されたプラットフォームの刷新を可能にします。
私たちは、オンプレミスのお客様がインフラ運用環境と AI の活用範囲のどちらかを諦めるべきではないと考えています。どちらも、すでにお客様の選択肢として提供されています。
ラスベガスで会いましょう
これからは、エージェント型 AI が中心となるカスタマーエクスペリエンスの時代です。そして、私たちの取り組みはまだ始まったばかりです。
Cisco Live の会場では、Keynote Deep Dive および PSO セッションで、これらの発表についてより詳しくご紹介しました。より深い技術的な内容に関心のある方には、テクニカルブレイクアウトやハンズオンラボもご用意しました。セッション一覧の詳細はこちらからご確認ください。
World of Solutions 会場では、エキスパートが実施するライブデモを体験いただけるほか、Cisco Café と Quiet Cube では Webex AI Agent を試すことができるようになっていました。
Webex の新機能の完全なリストについては、最新情報ページをご覧ください。
本イベントをお楽しみいただき、ラスベガスで充実したひとときをお過ごしください。また、2026 年 10 月 5 日から 8 日にかけてテキサス州オースティンで開催される WebexOne 2026 にて、皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
ご紹介した製品や機能の多くは現在開発段階にあります。開発やイノベーションの進捗に応じて、完成後に提供開始となります。リリース時期は変更される場合があります。
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