Webex にとって、この 6 月は慌ただしい月でした。 インクルーシブで便利かつ柔軟なハイブリッド勤務を実現するさまざまな新機能を発表したばかりです。 エンジニアリング担当 VP の私が率いる Collaboration AI チームでは、ユーザーが場所やデバイスを問わず働けるよう、市場をリードする AI アプリケーションでお客様をサポートしています。 これまで、Webex Assistant、ビデオの背景変更、ジェスチャー認識、改良版文字起こし、スピーチ エンハンスメントといったアプリをご紹介してきました。 そして今も、スピーチ AI のイノベーションをはじめとした、未来の働き方を推進する重要な AI アプリケーションに引き続き取り組んでいます。
Webex 音声インテリジェンス — スピーチ コミュニケーションのさらなる進化
デジタル ネットワークベースの音声コミュニケーションが登場して以来、不可欠な要件は実にシンプルでした。話し声をマイクでリアルタイムに収集し、エンコードしてエンドポイントに送信、デコードして聞き手向けに再生すればよいのです。 パワー正規化、エコー除去、コーディングによる帯域幅節約と送信パケット損失の防止、多種多様な出力デバイスへの対応など、細かい機能は着実に進化してきています。けれど、この四半世紀にわたり、目を引くほど大きな進化は見られませんでした。 それが今、とうとう本当に目覚ましい進化が起きようとしています。シスコが、真の音声インテリジェンスを、コミュニケーションやコラボレーションに導入するのです。 スピーチのストリームには意志、個人情報、場所、アクセントなど豊富な情報が含まれ、それらが音声ストリームの中で絡み合っています。 リアルタイムのコンピューティング能力が安価で手に入るようになり、ニューラル ネットワークベースのアルゴリズム設計が登場し、人と機械の間のインターフェースの設計が見直されることで、すべてが一変します。 シスコは、次世代の Webex を実現すべく、音声インテリジェンスに継続的かつ幅広く投資しています。 音声コマンド (自然言語とも言われる) を使って機械とやり取りして日々の暮らしに対応できれば、どれほど自然で効率的なことでしょう。そう考えれば、スピーチ AI のユース ケースが大幅に増加しているのも当然です。
スピーチ AI – コラボレーション機能とミーティング管理機能を改善
以下に挙げたのは、ライブ コラボレーションとミーティング前後の利便性を向上させる最近のイノベーションの一部です。
- デバイス用 Webex Assistant — 対応言語、スキル、開発者向けツール キットを拡充
デバイス用 Webex Assistant は、職場における一般的なミーティング ルームのニーズに対応した、ゼロタッチで音声起動できるミーティングとデバイス コントロール機能を提供します。 現在、パートナーとアプリ開発者は Webex Assistant Skills プラットフォームを活用して、ユーザー エクスペリエンスと対応するユース ケースを拡充できるようになりました。 ドキュメント、API、ツールキットが付属しており、 Webex Assistant のインテリジェンスを活用して、自社と社内ユーザーや顧客向けに独自のアプリケーションを開発できます。 また、全ユーザーがやり取りに使う言語に英語、フランス語、スペイン語を設定できるようになりました。
- Webex 音声インテリジェンス — “My Voice Only” スピーチ エンハンスメント機能
世の中は雑音にあふれていますが、だからと言って魅力的なミーティングが実施できないわけではありません。 2020 年 10 月、BabbleLabs 社の買収によって提供可能になったスピーチ エンハンスメント機能と背景ノイズ除去テクノロジーをシスコは発表しました。 そして今月、160 億分間のミーティングの背景ノイズを除去するというマイルストーンを達成しました。 Webex 音声インテリジェンス: My Voice Only 機能には、背景ノイズの除去だけでなく、残響除去、スピーチ品質向上、スピーチの分離に焦点を当てたイノベーションが搭載されています。 Webex は、近くにいる話者と離れた位置にいる話者を区別できるようになっています。 ミーティングで [My voice only] を選択すると、マイクに近い声だけが収集され、背後の話し声は除去されます。同時に、クリアな話し声に影響する可能性のある背景ノイズや室内の残響もすべて除去されます。 これで、話者それぞれを正確に管理できます。環境を問わないスタジオ品質の音声、ありのままの自分の声や理想を適切に反映した音声を作成・聴取するためのパーソナライゼーション、リアルタイムの没入感を実現するためのアナリティクス、個人に関するインサイトを利用できます。
その他の AI イノベーション
今年前半、シスコは People Insights 機能を発表しました。 個人ごとに非公開でリアルタイム データを提供し、ミーティングに関して多くの情報に基づいたスマートな判断ができるようにするという有益な機能です。 この機能を強化するために登場したのが Personal Insights です。こちらも個人ごとに非公開で、Webex Suite 内で個人の目標を設定することができます。 Webex をお使いのお客様は、Cisco Customer Connection で詳しい情報をご覧いただけます。 さらに、バーチャル背景変更機能も大幅に改善。操作性が改善されたほか、すべてのプラットフォームとデバイスで利用できるようになっています。 また、すばやく正確でタッチレスなジェスチャー認識機能を導入しようとしています。ミーティングで直感的な応答を返すことができます。
現時点の製品群すべての情報を把握し、本チームのメンバーや今後のイノベーションについて読みたい方は、AI を活用した Webex の機能のページをご覧ください。
詳細情報 160 億分間の気になるノイズを除去 Webex の新機能: 2021 年 6 月 人生にハプニングはつきものでも、 背景ノイズは消去が可能 AI を活用したスピーチ エンハンスメント機能と優れたチーム コラボレーション機能が登場