遠隔医療: 医療のニュー ノーマル時代を迎えた UC Davis Health

On By Kevin Adamson1 Min Read
Webex telehealth
コロナ禍の発生前、遠隔医療は医療業界の大部分で特別なユース ケース向けの補助的な機能と考えられていました。UC Davis Health (カリフォルニア大学デービス校の医療センター) では、コロナ禍前に遠隔医療を受けた患者の割合はわずか 1% 未満でした。しかしコロナ禍が発生するとその状況が一変しました。このウイルスが猛威を振るった時期には、UC Davis Health の遠隔医療の利用率が急上昇し、予約診察の 50% を上回ったのです。 感染急拡大後、ニュー ノーマル時代が到来しました。UC Davis Health で遠隔医療スーパーバイザーを務める Daniel Stein 氏はこう話します。
「もはや遠隔医療とは呼べません。これが医療の自然な姿です。患者と医療従事者が、最も理にかなった診療の形態を選択できるようになったのです」
Stein 氏と遠隔医療チームが実現したのは、ビデオによるオンライン診療だけにとどまりませんでした。今では患者が、救急診療専門の医療機関に緊急の予約を入れることや、UC Davis 校が設計したオンライン待合室の登録と利用を行うことができます。また、オンライン診療チームの往診を受けることも可能です。これには、通訳者や患者の家族も同席できます。この統合遠隔医療プラットフォームはたちまち、一部の患者にとって主要な受診手段となりました。 UC Davis 校の遠隔医療チームが力を注いでいるのは、UC Davis Health のすべての患者とその家族や、クリニック、病院、コミュニティの医療従事者が治療の際にかかわる環境を改善することです。この目標は、Webex プラットフォームで稼働する、業界をリードするソフトウェア アプリケーションである ExtendedCare Telehealth™ を導入することで達成できます。

ExtendedCare Telehealth と Webex でエンタープライズクラスのパフォーマンスを実現

2019 年に UC Davis 校で使用されていた遠隔医療製品では、多くの医療機関で必要なワークフローに柔軟に対応できませんでした。しかも、この製品はモバイル デバイスでしか操作できないものでした。こうした要件があったため、UC Davis Health の受診資格を持つ患者の 20% が、スマートフォンを持っていないという理由で遠隔医療を利用できませんでした。 UC Davis Health のプラットフォームに存在するそうした機能上の不備は、2020 年 4 月、最初の感染急拡大の際にあらわになりました。システムの切り替えが必要と考えた Stein 氏は、ExtendedCare Telehealth™ に注目しました。ExtendedCare Telehealth™ は臨床的に統合された構成可能な遠隔医療プラットフォームであり、Webex で稼働します。

円滑な移行とさまざまなユース ケースへの対応

ExtendedCare Telehealth™ にはシームレスに移行することができ、稼働開始の際にもビデオ診療の完了率は低下しませんでした。この新システムを全面的に配備したことで、2020 年秋の 2 回目の感染急拡大によるニーズにも対応できました。UC Davis Health のこの遠隔医療ソリューションは、新しいユース ケースの実現にもつながりました。たとえば、患者、介護する家族、さまざまな医療従事者、サポート スタッフといった複数の当事者グループが参加するオンライン診療が、院内でも外来でも可能になったのです。 「デジタル診療が主流になったことで、デジタル医療の公平性が重要であるという認識が高まってきています。UC Davis Health の目標は、私たちがテクノロジーの可能性を広げるときに、取り残されたと感じる患者がひとりもいないようにすることです。私たちは、エンドツーエンドの追跡と通訳サービスの提供を現在の遠隔医療ワークフローにシームレスに取り入れることで、デジタル環境における架け橋を作って情報格差をなくしています」と UC Davis Health の CIO 兼最高デジタル医療責任者である Ashish Atreja 博士は話します。 ExtendedCare Telehealth™ は、電子健康記録 (EHR) のワークフロー内で簡単に構成でき、特定のニーズに対応できます。たとえば以前、医療従事者のグループが、入院中に遠隔医療を通じて家族と会話したことのある患者に対して治療後のアンケートを行いました。収集したアンケートから得られた有用なフィードバックが、患者の満足度測定と、システムの利用状況の把握に役立ちました。 Stein 氏のチームでは ExtendedCare Telehealth™ の機能を管理レベルでも構成でき、これによりユーザー エクスペリエンスの一貫性を制御しています。UC Davis 校のような大規模な医療機関では遠隔医療にアクセスする医療従事者や患者が多岐にわたるため、そうした統一性が重視されます。このようなツールにより、患者は最適化されたビデオ診療を受けることも、EHR に画像を記録したり、ライブ ビデオ診療にゲストを追加したりするなどの重要な機能にアクセスすることもできます。スタッフと臨床医が使用する機能もそれぞれのワークフローに合わせたものとなっています。
  • 病院勤務の医療従事者: 遠隔医療を使用して、回診や患者の家族とコミュニケーションを行う
  • 医療助手: 医師などが予定時刻に間に合わない場合などに、診察に先立って患者とチャットを行う
  • 在宅医療、ホスピス、死別関連のカウンセラー: 支援を必要とする患者とオンラインで対話する
  • 放射線科医: リモートで患者と一緒に画像を確認する
  • 財務カウンセラー: 患者とビデオで会話しながら一緒に書類を確認する
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分析によって遠隔医療サービスをさらに最適化

「遠隔医療による診察が最も難しいのは、患者が、認識されていない障壁によって遠隔医療にアクセスできない場合や、以前のような質の低いエクスペリエンスしか得られない場合です」。UC Davis Health で 外来診療改革担当のメディカル ディレクターを務める Mark Avdalovic 博士はそのように説明します。「ExtendedCare による分析データを利用すると、アクセスを妨げるそうした問題を解決できると同時に、医療機関のワークフローを効率的に改善できます」 Stein 氏のチームでは ExtendedCare Telehealth™ による分析を活用してシステムをさらに最適化し、期待どおりに診察を行えないときの問題を診断しています。たとえば以前、患者の映像と音声が 60 秒ごとに途切れたことがありました。分析したところ、サポート対象のデバイスが使用され、ネットワーク接続も良好でしたが、移動する車両内からの受診であったため、携帯電話基地局間で信号が瞬断されていたことがわかりました。 ExtendedCare Telehealth™ を導入する前の UC Davis Health には、その他にもなかなか解決できない課題がありました。オンライン待合室に患者が入室したときに、その通知が介護者に届かないことが頻繁にあったのです。遠隔医療チームにもその原因がわかりませんでした。ExtendedCare Telehealth™ で得られたデータを使用できるようになった Stein 氏のチームでは、UC Davis Health のネットワーク内でその問題を特定して修復することができました。同氏はこう話します。「私たちはこうした問題を長い間認識できませんでした。ExtendedCare の協力を得る前は、そのような問題を確認するツールがなかったからです」

高度な遠隔医療サービスの提供

UC Davis Health で最先端のオンライン診療サービスを提供できるように、Stein 氏のチームでは、きわめてスケーラブルで安定した、エンタープライズクラスの遠隔医療プラットフォームを ExtendedCare Telehealth™ と Webex で実現し活用しています。このパートナーシップにより、UC Davis Health の臨床医は、優れたオンライン診療を効率的に患者に提供できています。 Stein 氏は、UC Davis Health にとって遠隔医療がいかに重要かを次のようにまとめています。
「遠隔医療がなければ医療が成り立たなくなりました。それが当たり前の時代となったのです。私たちは医療従事者として、品質面でも運営面でも、すべての患者に卓越したサービスを提供できるように尽力しています。一部のサービスは、患者の好みとニーズに応じて、対面でもオンラインでも提供しています。Webex で稼働する ExtendedCare Telehealth™ を導入したことで、適切なテクノロジー ソリューション チームをついに配備し、オンライン診療を受けるすべての患者をサポートできています」
*** HIMSS 2022 でのシスコの活動をぜひご覧ください 関連資料 ExtendedCare Telehealth: ニュー ノーマル時代の遠隔医療 医療現場で画面共有を使用する方法 医療機関向け Webex

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Kevin Adamson
Kevin Adamson Senior Manager Ecosystem Partnerships Cisco
Kevin has been with Cisco for 10 years, a confessed operational and process geek, he obsesses about the value the partner ecosystem brings to Cisco.
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