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- エンタープライズ CPaaS の経済面での影響
Tags: Webex Connect
サービスとしてのコミュニケーション プラットフォーム (CPaaS) の市場は、開発者用とエンタープライズ用の 2 つのアプローチに分割できます。
開発者 CPaaS は従来の形式の CPaaS であり、特定のユース ケースを強化するために単一目的のアプリケーションがコード化されています。それぞれのアプリケーションは独自のロジックを備えており、ビジネス システムとチャネルに統合されています。
Webex Connect は、CPaaS アプリケーションをエンドツーエンドで構築して管理するための中心的なプラットフォームを備えたエンタープライズ CPaaS ソリューションです。一度統合するだけで、プラットフォームの全体に導入されたあらゆるアプリケーションで再利用できます。開発者はアプリケーションをコード化したり、カスタマー ジャーニーを構築して徐々にフローとして再定義するためにビジュアル ビルダーを使用したりすることができます。また、幅広いビジネス ユーザー向けの拡張ツールセットが用意されています。
IT 部門と CX 部門のトランスフォーメーション リーダーは、開発者 CPaaS のアプローチは持続性に欠けていると認識しています。というのも、より多くのアプリケーションが導入されるにつれて、それぞれのアプリケーションが互いにサイロ化され、包括的なエクスペリエンスを提供するのが困難になってくるからです。これにより、単一の一元化されたクラウド型コミュニケーション プラットフォームでよりスマートなカスタマー エクスペリエンスを提供できる Webex Connect などのエンタープライズ CPaaS の需要が高まりました。支出の優先順位を決定するうえで、ビジネス リーダーには投資を正当化するために投資利益率 (ROI) を立証することが課せられています。
潜在的なメリットを数値化するために、シスコは Forrester Consulting 社に総経済効果 (TEI) に関する調査を実施し、Webex Connect の導入によって企業が実現し得る投資利益率 (ROI) の可能性について探るように依頼しました。
Webex Connect への投資に関連したコスト、リスク、メリットをさらに把握するために、Forrester 社は Webex Connect プラットフォームを導入した 2 つの組織の意思決定者にインタビューを行いました。このうちの 1 社は 1,700 万人の顧客にサービスを提供している南アフリカの金融機関で、この調査におけるモデルと計算の主な軸になっています。
両方の調査対象の組織が、Webex Connect の実装前にレガシー テクノロジーの克服や新しいチャネルの複雑な統合、場当たり的に発生する顧客とのやり取りの管理など、企業にとっての一般的な課題に悩まされていたことを認めました。こうした制限によってサービスの提供や顧客のオンボーディング プロセスが非効率的になり、カスタマー エクスペリエンスの崩壊につながりました。
上記で述べた課題を克服するために、どちらの調査対象の組織も Webex Connect を導入しました。一元化されたクラウド型コミュニケーション プラットフォーム (CPaaS) が実装されたため、複数のコミュニケーション チャネルを大規模に構築して管理し、分析機能とインタラクションのプロアクティブな管理を利用して、デジタルによる自動化に対応したより合理的なコミュニケーション フローを実現することができるようになりました。
この調査によって、Webex Connect プラットフォームから直接得られる数値化可能なメリットがいくつか明らかになりました。調査の一環として行われた財務分析によると、3 年間にわたって 127 万ドルの収益を得られることや 330% の ROI を実現できることがわかりました。他にも以下のことが明らかになっています。
1) コミュニケーション ジャーニーの構築時間が数日から数分に減少
調査対象の組織が以前使用していたコミュニケーション管理プラットフォームでは、新しいカスタマー ジャーニーを構成してリリースするのに 1 週間以上かかっていました。Webex Connect のローコードのフロー ビルダーによって、カスタマー ジャーニーの構築とスケーリングに必要な作業が大幅に削減されました。以前はフルタイム換算 (FTE) で 1 週間かかっていたことを今では数分で行えるようになったため、3 年間の対象期間でこれらの所要時間を 50% 削減できました。
2) スケーラブルなコミュニケーションによってビジネス プロセスが向上
調査対象の組織は Webex Connect を使用してオンボーディングと本人確認 (KYC) 情報に関するプロセスを自動化しました。こうしたプロセスによって、顧客と接するスタッフの間で 120 万ドル超の生産性とコストの削減を実現し、同時に新規の顧客により優れたエクスペリエンスを提供できるようになりました。
3) セルフサービス機能によってカスタマー サポートの効率が上昇
カスタマー サービスのエクスペリエンスを強化するために、調査対象の組織は SMS と WhatsApp を介した新しいセルフサービス ソリューションをいくつか導入しました。顧客がシンプルで一般的な要求をセルフサービス形式で容易に満たせるため、組織のコンタクト センターに対する顧客からの問い合わせの数を低減することができます。こうした機能によってコストの削減とカスタマー サービス スタッフの効率向上を実現できます。
この調査では他にも多くのメリットが明らかになりました。単一のプラットフォームでジャーニーを構築して管理できれば、顧客への対応方法を明確に描けることに、両方の調査対象の組織が気付きました。このため、より統合およびパーソナライズされた形にジャーニーを調整し、顧客サービス業務の効率とエクスペリエンスを向上させることができました。
さらに、Webex Connect によってコロナ禍の間にデジタル レジリエンスが強化されたこともわかりました。どちらの調査対象の企業も SMS と WhatsApp を使用した新しいユース ケースを構築してリリースし、リアルタイムでアップデートや顧客へのサービス提供を行えるようになりました。
両方の調査対象の組織が Webex Connect を使用して、よりプロアクティブかつスケーラブルなカスタマー エンゲージメントを実現しました。既存のシステムを統合して、コミュニケーション チャネルをすばやく拡張し、自動化を通じて顧客とのやり取りを強化しました。これにより、どちらの調査対象の組織も顧客満足度の向上、運用コストの削減、そして、より一貫性の高い通知と拡大する顧客基盤でのコンプライアンス遵守によるリスクの軽減を同時に実現することができました。
Forrester Consulting 社による Webex Connect の総経済効果に関する調査の全文をダウンロード
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