サービス エージェントと Webex App for Salesforce カスタマー サービスにかかわる部門で働いている方であれば、非効率的なワークフローが組織の経済的なパフォーマンス全体に悪影響を及ぼすことにはお気付きかと思います。 解決までの時間 (TTR) や 1 コール解決率 (FCR)、顧客満足度 (CSAT) などの指標に少しの変化があっただけで、事業の全体的な健全性と収益性に深刻な結果が生じるおそれがあります。 一般に、サービス エージェントにはナレッジ ベースを照会して考えうる最善の解決法やお客様に最適の製品を見つけ出すための効率的な手段 (電話やその他の適したチャネル) が必要になりますが、ときには顧客および同僚とのコラボレーションが決定的に重要になるシナリオもあります。これは対応量の多い従来のコンタクト センターにおける手法がそぐわないような、複雑でより高い価値を提供する製品の場合に当てはまります。 パスワードのリセットは、問題自体もその解決法も複雑ではなく、本質的に手続き的です。そのような問題ではなく、大規模なネットワーク環境が機能しない原因を把握したり、大企業のシステムの不具合に対処したりする場合は相当な労力に加え、チームでのコミュニケーションや調整が必要になります。対象の製品が複雑な場合や投資規模が大きい場合は、サポート エンジニアや資産運用アドバイザーのような専門性の高いエージェントが直接顧客と接触し、やり取りを開始します。これは数日から数週間、数か月に及ぶ場合もあります。 このようなやり取りにはエージェントと顧客だけでなく、対象製品の特定領域に精通している専門家や、すでに顧客との関係が出来上がっている専門家を交えて進められることも珍しくありません。 複雑な製品向けの理想的なサービス ワークフローには、エージェントにチケットを割り当てることで顧客との長期的な関係の構築を促すという面と、特定分野に通じている相応しい専門家がかかわれるようにすることで、サービスのスピード向上と顧客満足度の最大化を図るという面があります。
Meetings、Messaging、Calling のサービス ワークフローの強化 Webex App for Salesforce の拡張機能として、アウトバウンドおよびインバウンドの営業職に重点を置いたユース ケースに加え、高度なスキルを持つエージェントによる顧客へのサービス提供の迅速化と、両者の良好な関係構築に資する能力開発に力を入れた、サービス指向のワークフローが加わりました。 早速、新しい機能を見てみましょう。
電話を受ける際の背景情報 サービス エージェントが電話を受けると Salesforce 内の Webex ダイアラーが鳴り、発信者に関する背景情報を確認できるようになりました。この情報には連絡先の詳細情報やアカウント名、直近の照会内容などが含まれます。この情報を活かせば応対の仕方で相手を引き付け、経緯を即座に把握して早急な解決を図ることもできます。
電話に応答すると、エージェントは電話をかけてきた相手の総合的な情報 (対応履歴、関連付けられている Salesforce オブジェクトなど) にアクセスすることができます。
ここまでは電話を受けたときのサポート対応やインシデント管理のワークフローに関するものですが、同様の電話の記録機能は、電話をかける際にも使用できます。 さらに、エージェントのエクスペリエンスは Webex App for Salesforce の Webex Admin セクションでさまざまなカスタマイズが可能なため、ビジネス プロセスの専門家のニーズに応じて、あらゆるシナリオやワークフローに対応できます。
スペース作成の強化 Webex App for Salesforce 向けの新規リリースには、ワークフローの最適化という目標に沿って、Webex で Salesforce のケース (またはその他のオブジェクト) に関連付けたコラボレーション スペースを速やかに用意し、そこに関係者を追加できる機能が用意されています。新しいケースが作成されると、Webex Messaging コンポーネントからエージェントに対してオプションが提示され、そこでケースに関連付ける新しいスペースを作成するかを選択できます。スペースの作成時には、ワンクリックでケースと同じ名前を付けることができます。Salesforce で定義されているサポート チームからスペースのメンバーを追加するのも簡単です。
通知ボット インシデント管理プロセスのもう 1 つの重要な側面は、影響を受ける利害関係者や関与している利害関係者全員と適切なコミュニケーションを取ることです。これは起こりうるリスクや否定的な反応を抑えるためです。 情報を速やかに行き渡らせるため、Salesforce オブジェクトとその属性を通知ボットに関連付けて展開できる管理者向けの能力を追加しました。たとえば、ケース自体のステータスが変化したときに、そのケース オブジェクトに関連付けられた Webex スペースを通知するというボットを作成できます。送信メッセージは全面的にカスタマイズ可能で、動的なパラメータにも対応しています。
管理者エクスペリエンスの刷新 最後に新バージョンの Webex App for Salesforce の特徴として、管理者セクションの設計を見直して背景情報を追加し、希望通りの設定を簡単に実装できるようにしました。 サービス ワークフローに対応したことで Webex App for Salesforce は販売にとどまらずその対応範囲が広がり、大規模なサブセットであるサービス指向の Salesforce ユーザーがそのパフォーマンスを高め、顧客と良好な関係を育てることを可能にしています。
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